2008年08月24日

**すでに今年度最強確定! 〈 The Dark Knight 〉**

 まあ、 最強の字がそのままなのか、 はたまたなのか判りませんけどね・・・(笑。

 とにかく圧倒されました。近年稀に見る濃厚な味わい。

 

 兎にも角にも、152分という決して短くない(つーか半端なく長いのだけど)尺のなかで唯一ほっと息をつけたのは、ブルース・ ウェイン(クリスチャン・ベール)とレイチェル・ドーズ(マギー・ジレンホール) のほんの数秒のキスシーンだけだったと告白しておきましょう。それ以外は、一字一句聞き逃すまい見逃すまいと、緊張の連続でした。 処理の能力の高いCPUをお持ちの方なら、「コレはよく練られた緻密な脚本だ!」と感嘆するところでしょうけど、 こちとら処理能力の低い一世代前のCPUでしかありませんので、観ている間はもう必死でしたし、 観終わった今でもイマイチ判ってないところもある、そんな具合です。

 公開前の話題は、「HA・HA・HA・HA・HAA!」という笑い声と共に、この世から姿を消したヒース・ レジャーにつきるのでしょうけど、取り立ててジョーカーにフォーカスした内容ではありません。というか、ブルースにもゴードン警部補 (ゲイリー・オールドマン)にもレイチェルにも、ましてやアルフレッド(マイケル・ケイン)にもフォーカスしてはおらず、 細かい心理描写など時間の無駄とばかりに、積み重ねた言動ですべてを表すという、ヒジョーにマルチタスク能力を試される過負荷試験でした。

 内容・筋立てはまだ公開中ですので秘すとします。が、一言だけ。 私設自警として犯罪者に鉄槌を下すバットマン自身が市民に犯罪人の謗りを受けている設定や、金が目的ではなく、 あくまで市民に混沌をもたらそうと暗躍するジョーカーの設定などが、 世界警察を自負し目的の為ならUNの裁定さえ無視する某国を投影しているという風な批評も目にします。確かにそんな風にも取れますし、 携帯ソナーもNSAっぽいです。んでも、そんな矮小な話には収まっていないですよ(実際大きな話なんですけどね(笑。)。

 コレはね、秩序を壊し混沌をもたらす絶対悪と対峙する人々の話ですね。この世界には絶対者となりうる超人(スパーマン?) は存在しないのです。人が人のままで、悪を乗り越えてゆかねばならないというシュウキョウ的荘厳がありますですよ。 でもかの国のシュウキョウでは最後の砦「神」は存在してますので、ちょっと違うなあ。神を頼らないのだから・・・。ニーチェかっ!

 そうだ、ニーチェです「超人思想」です。訂正しときましょう。

 そんなこんなで、DVDが出たら買いです。

 

 

 まったくもって余談になりますが、ティム・バートン版のダークなフリークス満載のバットマンとか、ジョエル・ シュマッカー版のポップでイゲイゲなバットマンとか、敵が無秩序を目的とするクリストファー・ノーラン版シリアスバットマンと、 エロさえあれば何をやってもよかったロマンポルノの様相を呈してますな、秘宝の言う通り。

 もう一つ余談ですが、「殺し屋1」のイチと垣原の関係もバットマンからの孫引きに限りなく近いように思われます。 誰も言ってないけど・・・。

 

 

posted by 森と海 at 22:31 | Comment(10) | TrackBack(3) | Movie(米)
この記事へのコメント
未だ出撃しておりません。
あちこちのブログでレビューを拝見して非常に好評価なので、調整して是非強襲したいですね。
Posted by samurai-kyousuke at 2008年08月25日 10:11
本日、スクランブル発進いたしました。
確かに今年最凶でございました。
Posted by samurai-kyousuke at 2008年08月25日 20:41
>samurai-kyousukeサマ
は・はやい!
最近スルーばかりしてましたが、これだけは観なければならないとわたくしもブロガ―さん方に進められてた口でして・・・。
それにしても素早い。続きはそちらで・・・。
Posted by 森と海 at 2008年08月25日 21:20
フェリーのくだりなどはヒーローに頼らずに普通の人間が悪に立ち向かわなければならない、という『ウルトラマン』最終回にも似た味わいも感じましたが、この雰囲気なら「立ち向かったからと言って報われるとは限らない」というところまで描いて欲しかった気も。

とはいえ圧倒されますし、2回観に行ってなお飽きが来ない・・・傑作だと思います。ニーチェ、というのは思い至りませんでしたが、いわれて見ると確かにその通りですね。
Posted by Cardhu at 2008年08月26日 09:53
>Cardhuサマ
samurai-kyousukeさんとこに書いたことなんですが、ブルースは何故2隻ともスイッチを押さないと固く信じていたのか?片方のフェリーはマフィア満載状態なのに。なぜ?
で、ラストに「信じるに足る市民のため」に〇名を着たと・・・。
思い出しただけで鳥肌立った。
Posted by 森と海 at 2008年08月26日 21:20
自分なりに不満点の理由を考えてみました。
記事にしたので詳述は避けますが、やっぱりヒース・レジャーは魅力的だったということで、笑

次はリドラーとペンギンとキャットウーマンがそれぞれジョニー・デップ、フィリップ・シーモア・ホフマン、アンジェリーナ・ジョリーで噂されていますが、実現すれば随分雰囲気が変わりそうな…それならそれでキャットウーマンはミラ様が演じてチャンベールと素敵な対決をして欲しいな、と、笑
Posted by Cardhu at 2008年08月26日 21:54
「神は死んだ!」うーんやっぱりいいトコ付きますね。あと『殺し屋1』とかなるほど、メモメモっと。
基本テーマはDCの原作や他の映画でも言われている事なんだけど皆が知ってるバットマンをしかもジョーカーでココまでやられたらグゥの音も出ませんでした。
Posted by tonbori at 2008年08月27日 23:31
>Cardhuサマ
バットマンシリーズは何故か3部作GOとはいかず、2作ごとに監督交代となってますし、〈 ダークナイト 〉の後を続けるとするとなんとも陳腐になりそうなんで、監督は交代かと??? 次の監督は誰だろ?ポール・W・S・アンダーソン?

>tonboriサマ
やっぱり手本となった原作がフランク・ミラーというのが大きいですね。ティム・バートン版もそうらしいですけど、えらいな違い。
本作ではことさら生身の人間というのが強調されていて(傷を縫う・顧問弁護士に正体を明かす・検事にゴッサムを委ねようとする)、等身大ですね。数ある時代劇・ヤクザ物にも通じるような気がします。
Posted by 森と海 at 2008年08月27日 23:57
お久しぶりです。

こちらのおサボりの方長かったのですが、最近更新し始めました。

トラバさせていただきました。
Posted by yuimor at 2008年09月17日 22:50
>yuimorサマ
こちらも停滞気味です。というか、とんと映画を観れなくなっております。
ここも僻地と化しております。ha.ha.ha.haa!
Posted by 森と海 at 2008年09月18日 19:29
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/105289975

「ダークナイト 」 -ネタバレ無し-
Excerpt:  漆黒の闇の中を去って行くバットマン。あんた男だ。レンタルDVD観賞でいいやと思っていた私を許してくれ。そして天国のヒース。あんたのジョーカーは噂どおり素晴らしかった。同じく遺作という事もあるけど..
Weblog: samuraiの気になる映画
Tracked: 2008-08-25 20:39

Unforgiven 『ダークナイト』
Excerpt: これほどまでに語りたくなる映画があったろうか。 だが既に、沢山の人たちが語り尽くした。 それでもなおその衝動を止めえることが出来ないのは『ポニョ』かこの映画『ダークナイト』だろう。 そし..
Weblog: web-tonbori堂ブログ
Tracked: 2008-08-28 00:05

社会を構成する四つの顔
Excerpt: 「ダークナイト」はノンストップ・ムービーである。2時間半を超える作品なのに、まるでダレ場なく場面が展開する。実際のところこれは手放しの誉め言葉ではない。 映画にはダレ場が必要だというようなことをマキ..
Weblog: ゆいもあ亭【非】日常
Tracked: 2008-09-17 22:47
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。