2008年11月04日

**目から鱗・・・〈神探 / MAD DETECTIVE〉**

 もういいよね。日本での公開は取り合えず終わったんでしょ。さあ、画像上げちゃうぞ!

 ということで、ジョニー・トーさんワイ・カーファイさんの映画でございますよ。もうライフワーク!いや、やめるにやめられなくなっただけかもね。

 この画像のラムカートンが、ある人主観ではこうなっちゃうんですから。

 あはは、意味わかんないでしょ(笑。事細かな説明がないですもんね。

 前々回のエントリーで上げてたんですが、統合失調症を少しばかりデフォルメした映画です。役名コー(ラム・カートン)は、内面に7つの人格を有していて、それが原因なのかどうかわかりませんけど、とある事件を引き起こします。その事件の捜査をしている刑事のホー(アンディ・オン すっかり常連だ!)は、元刑事のバン(ラウ・チンワン)に協力を依頼します。そのバンには、人の内部人格を見ることができたり、人の行動・感情を追体験してその出来事の本質を見極める超感受性(造語!笑)というべき特殊能力がありましたとさ。プロファイルを生業にする人にはうってつけ、一般人には需要なしな能力ですが・・・。

 軸はこの能力ですよ。そしてその能力をいかにして観客に伝えるのか?

 トーさんは大胆にもやりました。「7つの人格が見えるというのなら、7人揃えちゃえ。」こう言ったのかどうかは伝わってきませんけど、そのまま7人を歩かせました。こういう場面ね、ハリウッドならこんな撮り方しませんよ。今ならさしずめCGで描くでしょう。ぱっと考え付くのは、7人の顔データをCGに取り込んで、それぞれの顔を短い間隔でモーフィング(〈ターミネーター3〉で液体金属のT1000がロバート・パトリックに連続変化していった技術)で繋いで1人なのに7人という人物を作り出したことでしょう。CG至上となったハリウッドなら、わかりやすさからます考えられる手法だと思います。ちょっとイメージを作ってみましょうか

って、作れるわけないじゃん(笑。

 さて、CGにあまり予算をさけない日本ならどうするでしょう?森と海は無い知恵絞って考えました。日本にはCGは駄目でも光学合成という手があるじゃないですか!こうしましょう。同じアングル同じ照明で7人を同じタイミングで歩かせ、7人分撮影します。それを重ねあわせて、明暗で7人を調整して個々が浮かび上がるような視覚効果を目指せば、なんかグジャグジャした輪郭の人物から内部の人格が垣間見えるという映像が作れるでしょう。これなら重ね合わせるだけですから、サンプルイメージを作ってみます。

だから出来ないって(爆。

 という風に、視覚効果に頼ってしまいそうな場面をトーさんはこう撮りました。

 まず、一般人のホー(アンディ・オン)が監視するカット。

 切替えして、ホー主観のコー(ラム・カートン)の口笛を吹く姿。

 間髪いれずコーを監視するバン(ラウ・チンワン)のカット。

 再び切替えして、バン主観のコーの内部人格ダダ漏れの姿。

 たったこれだけです。時間にして数秒。もうローテクもローテク。ただ7人が口笛を吹きながら歩いているだけなのに、場面を切替えすことで、「これがコーにだけ見えている映像なのだ」ということを、説明臭くなくさらりと知らせております。誰だってやる手法には間違いないです。間違いないですが、先にやったもん勝ちです。普通こういう複雑な事象をこうあっさり〈7人並べて)表現するなんて、怖くてできたもんじゃありません。大胆としか言いようがありません。特殊効果だけが複雑なものを表現する手法ではないのですね。

 これはまったくもって想像ですが、トーさんの企画は始めに『7人が並んで歩く』という映像ありきではなかったのでしょうか?この圧倒的な絵柄をどう生かすかと考えたとき、医者物でやるよりはやはり手馴れた刑事物でやるべきだと。そうなれば、犯罪を犯した側が7人であるべきだと。犯人側から刑事を見たら7人居たでは、全然広がりませんし、第一、犯罪者主観の絵ばかりではヒッチコックになっちゃいますからね。それにしても大胆です。世界の森海、感服しました。

 関係ありませんが、最初の画像と次の画像、よく見るとつくづく見たことのあるような構図です。日活アクション全盛のころ、こんな絵はなかったでしょうか?

posted by 森と海 at 21:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | Johnnie To
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