2008年12月21日

**押井さんがある限界に制約され続ける〈攻殻機動隊2.0〉**

 届きました第2弾!

 劇場で観てほしいと押井さんはおっしゃってましたけど、大都市限定の公開でそりゃナイぜセニョール(って古っ)の思い強く、予約しときましたよDVD。

 中身云々はもう10年以上も語られ続けているのでパスしますし、人形遣いが家弓家正さんから榊原良子さんに交代したからニュアンスが変わったって系の話も半年前に大方語りつくされたようなんでパス。じゃあ、ここで何を書きなぐるんでしょうか?

 ここで1995年公開のオリジナルを便宜上〈1.0〉と呼ばせていただくが、〈1.0〉と〈2.0〉の画像比較をまずやっちゃうよー。これこそ〈1.0〉のDVDが¥9,800もした時代に投資したもののと勝手に解釈(後に廉価版も出たけどさ)。ただし、バン○イビジ○アルさんが五月蝿そうなので、カッチカッチに固めたバージョンにて。

 まずは〈1.0〉。

 そんでもってあっさり〈2.0〉。

 上下で同じ場面を置いているんで、小さいながらもその差異は分かるはず。ざーっと見ても、上は寒色系で下が暖色系なのは一目瞭然。色味を〈イノセンス〉に合わせたという話はなるほどそういうことかと。影響を与えたはずの〈マトリックス〉シリーズが、シリーズ全体で緑をテーマカラーに統一したことが大きいような気がします。もう緑は使えないぞと。

 で、同時にコメントされた「3DCGキャラクターで描く」っていう話も、冒頭の部分でだけ実現しているんですが、これには疑問符が残りますねえ。業界人でもない一般のファンであるボクでも不思議ですよ。

 〈イノセンス〉では、CGで描いた煌びやかな背景の前でセル画のキャラクターが活躍したんですが、なぜ今全体のバランスを損なってまで(CGキャラとセル画キャラの解離が顕著なんです)、冒頭部のみCG使っちゃったんでしょうか?深読みすれば、ドリームワークスSKGがリメイクの版権を獲得したってことが影響しているんでしょう。ドリームワークスはフルCGアニメーションで”攻殻”を製作するようなんで、「少なくともこれ以上のものを創れよ!」というメッセージかもしれませんし、あわよくば「俺を使え!」というカッツェンバーグへのラブコールかも?って思います。

 もちろん、今回のリニュアールがもともと音を作り直したいという話から始まっているため、最初から全部に手を入れるほどの規模の企画ではなかったからとも・・・。というのは、時間と予算さえあれば、丸ごとフルCGで作り直すぐらいの勢いなんですよ、冒頭部に関しては。フルCGアニメはもう日本でも前例があります。ありますが、TV局が製作委員会に名を連ねるようなバジェットでないとまず難しい。しかもそれであっても、さらなる上部構造にシフトしたハリウッドあたりに比べると資金も技術も一段落ちますからね。もうひとつおまけに、世界規模では影響を与えまくった〈1.0〉でも国内では惨敗。押井印で大バケは無いというのが定説のようで。

 なんだか、日本でコレだけ先進的なものを創って世界に衝撃を与えても、すぐにハリウッドに軽やかに追い抜かれててしまうジレンマが滲んで見えます。

 ラストのこの絵なんか、影響を与えたはずの〈マトリックス〉にようやく追いついたって感じです。人形遣いと融合した少佐が旅立つのは現実世界ではなくネットの海なのですから〈2.0〉が明らかに正しい。その正解を〈レボリューションズ〉で見せ付けられて「いつかは!」と心に誓っていたのかもしれません。

 いやいや大変だなあ、クリエーターも。そして毎回お布施するファンも。

 なんだか、アランフェス協奏曲が聞きたくなったので今から観よっと〈イノセンス〉。

posted by 森と海 at 20:52 | Comment(6) | TrackBack(0) | Movie(邦)
この記事へのコメント
毎度毎度、映画館で観ているおいらって(笑)
まあ今回のCGに関しては中途パンパ感ありありではありましたがイノセンスなんかでもやった『ガルム』(フルCGと実写の融合作品、凍結中)の敵討ちをあちこちでやり散らかしているのが最近の押井さんなのかもなと、ふと押井さんのメカ本で出淵さんが言っていたのを思い出します。
そこでドリームワークス話となれば俄然カッツエンバーグへの色目も真実味を増しますわね。
Posted by tonbori at 2008年12月25日 00:56
そういやぁ、〈アヴァロン〉あたりはそれに近いですね。あれもコケたけど。
〈アヴァロン〉て、〈マトリックス〉以降でしたっけ?なんか当時は、〈ビューティフル・ドリーマー〉のシリアス版みたいに言われていた気がしますが・・・。
Posted by 森と海 at 2008年12月25日 20:56
公開はマトリックスが先ですねえ。
バーチャルスペースにダイブするというのはどちらも同じだけど押井さんのBDから始まった堂々回りが色濃くでています>アヴァロン
あとゲームネタとかミリネタとか趣味性も高いし(笑)
Posted by tonbori at 2008年12月28日 11:10
>趣味性も高いし
ほんと趣味性高い(笑。
いちげんの客は門前払いのような感じ。
言えるのは、ラストの天然色場面があるからこそ混乱しまくるように思いまして、あれが混乱の元凶と。
しかしあれが無いと、まったく意味を成さなかったり。
Posted by 森と海 at 2008年12月28日 18:31
劇場で観たかったんですけど行きそびれちゃいました。
レンタル店ではいつもレンタル中です。
私もいっそ買っちゃおうかと思っています。さらに手直ししたヤツ出ませんよね〜。(笑)
Posted by samurai-kyousuke at 2008年12月29日 08:54
>sumurai-kyousukeサマ
ボクもレンタルで済そっかなぁってちらっと思いました。レンタル借りてゴニョゴニョ出来ますし。
そんでも、便宜上の〈1.0〉を持っているんで、バランス悪いなあと思いまして・・・。

おかげで、ポジフィルムの切れっぱしをget出来ました。戦車に頭潰されそうになっている後姿。
Posted by 森と海 at 2008年12月29日 18:50
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