2009年01月06日

**円熟の極み〈ブレードランナー ファイナル・カット〉**

 そうなんですよ。Amazon.comで探したのはコレなんです。

 いい加減、同じ映画をバージョン違いで集めるのもいやな感じなんですけど、さりとて、レンタルでお茶を濁すというのも我慢できず。同じ買うなら全然別なのも一興かなと米ワーナー盤を購入しました(安いっていうのが最大の理由という説もありますが・・・笑)。

 観てびっくり!

 よくもまあ、あのクソ画質の悪い最終版から、ここまでレストアしたものです。つーか、テレシネやり直すべきじゃないのかねえ。もう原版ないのか?話によると、オリジナルネガは70mmで撮っていたらしいのだけど、35mmに変換するときのレンズが腐っていたとか・・・。そのネガはいずこに・・・。

 ということで美しくはなっていますが、昨今の高画質ソフトのレベルからすると、ようやく水準に達したってところでしょうか。

 とは言え、非常に分かりやすくなっているし、おかしな所 ↓ もちゃんと手を加えていますね。

 最終版のスタントマンが・・・、

 ちゃんとゾーラ役のジョアンナ・キャシディになってるし。

 例のペガサスの部分もデッカードの瞼が開いていてまどろんでいる状態(寝ていない)になっているし。寝てなけりゃ、それは、ふとした瞬間に深層から浮かび上がってくる古い記憶です。夢よりはインプラントされた記憶にふさわしいと思いませんか?

 夢と仮定するなら、ペガサスとはユングの言うところによると気力・体力・エネルギーの充実を表し、非常にポジティブな力強さを表しているんですね。それに比べて、レイチェルの蜘蛛っていうのは、不安・誘惑・束縛というネガティブ感満載。唯一、肯定的に考えられるのは、何百匹もの子蜘蛛が誕生するというものは子孫繁栄を意味しますんで、デッカードとつがいになれば幸せと・・・。ん、つーことは、このジェネレーションのネクサスは生殖機能があるのか?汚染され荒廃した地球環境において、人類が絶滅した場合の新たなアダムとイブを創造なされた訳だな、メガネ親父(タイレル博士)は。傲慢を絵で書いたようなメガネのやりそうなこった。考えてみれば、親殺しのイニシエーションはすでにロイによってなされている訳で、種としては大人の段階に入っているんだな、これが(笑。

 妄想はさておき、英字幕でも鑑賞でしたが、一つ一つの台詞の完訳は浮かんでこなくてもニュアンスはすらすらと入ってくるのが意外といえば意外でした。初見の頃抱いた「なんか盛り上がんなくてツマンネ」という感想が、歳を重ね視聴回数を重ねるうちに、まろやかな味わいさえ感じられるようになるとは。もうね、デッカードがレプリカントとか、自分とは何者なのかとか、人はどこから来て何処へ行くのかとか、そんなもんはどうでも良くなってきました。ただただ雰囲気を味わえばいいじゃない、不器用な男を観ているだけでいいじゃないと、かように思いました。

 基本的にボクは、(昔言ったことじゃないけど)ぐちょんぐちょんに痛めつけられた主人公が最後は2人で遠い場所に逃げ出すというプロットは大好きなようです。

 〈ブレードランナー〉だって、

 〈ペイバック〉だって、

 言ってみりゃあ、〈GHOST IN THE SHELL〉だって、みんな主人公は痛めつけられているもんね。そして2人で新天地を目指すぞっと。








 ということですっかり間違えてました。ペガサスじゃないよユニコーンだよ(恥。となれば解釈は変わるはず。

ユニコーンは残念ながらユングはなにも言ってない(らしい)。さて困った、ほかにユニコーンに触れた書物はというと・・・、聖書ですがな。聖書ではユニコーンとは処女性の象徴であり、処女にだけ懐くとか。もうこうなってくるとコレしかないですね。「最初から、レイチェルに懐くしかなかった」と。メガネ親父、プログラミングしおったな(笑。


posted by 森と海 at 21:24 | Comment(6) | TrackBack(0) | Movie(米)
この記事へのコメント
いや最後の人だけは好きな人はあっち側でおいてけぼりくらってますから(笑)
なので後日談が出来たという話もありますけどね。

そういえば一応日本仕様買ったけどまだ観てないや(爆)
Posted by tonbori at 2009年01月07日 21:43
深作監督なんかもそういうのをよく撮りますよね。
『バトル・ロワイヤル』も『忠臣蔵外伝』も・・・「2人ならどこへでも」というのは確かにいいですよね〜。

あ、新年のアルファベットは微妙に流行ってるみたいです、笑
Posted by Cardhu at 2009年01月08日 07:22
>tonboriサマ
だって、最初押井さんは、「少佐と人形遣いの結婚だ」って言ってたじゃない。バトーはふられたんですよ(笑。
イノセンス撮って、時代も変わったので、そぐわなくなった家弓さんから榊原さんに代わったですよ。

ところで、ペガサスはツッこまないの?
Posted by 森と海 at 2009年01月08日 20:21
>cardhuサマ
このロマンティストがぁ〜(笑。

でも、いいですよね。
Posted by 森と海 at 2009年01月08日 20:34
ぬぐっ、ペガサス流星拳!(笑)
じゃなくて、一角さんの話のことですね。
すっかり忘れてた(笑)

まあ空想上の生物だし(爆)
ちなみに素子さんと人形使いのとの結婚で出てくるのが、
多脚戦車もメタファーになってるんだっけ?
確か押井先生がほのめかしてた。
Posted by tonbori at 2009年01月09日 23:52
>tonboriサマ
メタファーといえば、ゾーラが蛇でロイが鳩なんですねえ・・・(笑。

やっぱりミルトンか?
Posted by 森と海 at 2009年01月10日 20:21
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