2006年01月06日

**〈 下妻物語 〉わずか10分で引き込まれた!つかみはOK!**

 2004年No.1邦画と認識されている〈 下妻物語 〉を今頃見る。何週遅れか知らないが、 フリルヒラヒラなんて見たくなかったんだもん。でも、時間があったのだ正月の間は。

 うは、わずか10分で引き込まれた!「ああ、このあとどうなっちゃうの???」そんな好奇心をかきたてられて、中野哲也監督の思うツボドップリだったのだ。

 正直、扱うネタは全然違うが〈 アメリ 〉になんとなく似ているなあとも思った。キャッチーなオープニングで引き付けといて、 中盤はジックリ人と人の対話を描き、ラストはまたスピーディーに締める。その鮮やかなこと。

 気になったので、中野哲也監督について調べてみると・・・なるほど、CFディレクター上がりだったわけだ(MovieWalker参他) 。それで納得、主人公竜ヶ崎桃子(深田恭子)を宙に舞わせることなんて、もう既にCMで秀作を重ねた手法だったんだな。 山崎さんと豊川さんを横っ飛びさせた「サッポロ黒ラベル」でやったことを、自信を持って使ったということか。とりあえずは「つかみはOK」 ですよ。その後も、最近の邦画でありがちの劇団出身の役者で、周りを固めるという取りこぼしのなさ。 反則といってもいいくらい集めも集めたりの曲者ぞろい。「一角獣」阿部サダヲVS「口半開き」生瀬勝久などという対決は、卑怯にも程がある (笑)。気付きました?産婦人科医役の時のサダヲさん、マスクの下は付け鼻してますぜ。もう、気になって気になって・・・(笑)。

 この調子で最後まで行ってしまったら、「ああ、面白かった。おしまい。」で終わり、さっさと忘れてしまいそうなのだが、 そうじゃなかった。両衛主演の竜ヶ崎桃子(深田恭子)と白百合イチゴ(土屋アンナ)の設定だって、極端にエキセントリック。 片や超個人主義で「友達なんていらない」と言い放つロリータファッション女、 方やバリバリのレディースと正反対というか合いまみえることの決してなさそうな2人。ここも面白ネタかと思いきや、話の展開と共に、 2人の生い立ちが明らかになり、そうなったのは自然の道理とでもいうような説得力も出てくる。その生い立ち(特に桃子のほう)も、 とんでもないのだけれど。

 台詞がとんでもなく多い。ほぼ全編に渡って、主役2人の会話は途切れることがない。 どうでもいいような聞き逃したって別段問題の無いような会話の中で、互いの理解が深まってゆく過程が映し出される。そして、 その会話の途切れる時、感情が画面に曝け出される。その瞬間、カメラはじっと表情を追う。最近のこの手の邦画としては、やけに長いくらい。 こんな長回しにも耐えられるのだから、深田恭子って女優は大したものなのだろう。棒読みト書きをどう考えればいいのだ?

 目先の突飛さだけで引っ張るのならば、これほど多くの人に賞賛されることはなかっただろう。見かけの面白さだけでなく、ベタであれ人を友情を描き忘れなかったことが、「いいなあ」と言わせるだけの力を持つ。「トリックスター的なキャラ立ちと王道の組み合わせ」(copyright by tonbori堂)は、 簡潔に言い表しているように思う。だってな、同じCFディレクター上がりの石井克人監督の〈 PARTY 7 〉を見たって何も残らんぞ。 それなりに面白かった〈 鮫肌男と桃尻娘 〉はいいとして、ありゃ無いだろう。だから、〈 茶の味 〉も見る気が起こらない。そこいくと、 中野監督の〈 嫌われ松子の一生 〉は、 今から期待大だ。(1/7追記)かといって例えばの話、同じテーマを−撮ることなんてないと思うが−根岸吉太郎監督が扱うと粘りに粘った重い映画になると思う。観終わるとやっと開放されたという安堵感が広がりそう。爽快感を残すには適度な軽さも必要ってことだろう。

 

 (余談)コメンタリーで発覚したことだが、牛久の大仏サマをCGで動かす(のけぞらせる) ということも検討されたようだ。すんでのところで思いとどまったみたいだけど、それヤッチャイカンよ(笑)。 それをやっていいのは三池監督だけ。彼なら、ケジメをつけさせようとするレディースの面々を大仏サマが踏み潰してゆくという、 それまでの話をチャラにしてしまう展開にいささかの躊躇いもないだろうから(笑)。

 

 

posted by 森と海 at 23:42 | Comment(5) | TrackBack(0) | Movie(邦)
この記事へのコメント
私さあ、これ、すっげええ好きなわけ。好きすぎで書けねえ(いつものパターン)。
つかねえ、女の友情モノって実はそうないのな。男が撮るとどーもそれを「女の子同士のうつろいゆく一瞬のなんたら」にしがちなんで、やあ、これは気持ちよかったあ。
Posted by acoyo at 2006年01月07日 15:28
えーもうエントリとコメに書いたとおりなんだけどフカキョンって実は使いどころが難しいキャラだしアンナちゃんもそうなんよね。それを使いどころをわきまえているというかよく解っているという。
Posted by tonbori at 2006年01月08日 00:20
レンタル観賞したのですが、なかなか面白かったですねぇ〜。
CM同様、スローモーションを使った導入部の絵作りは抜群でした。
随所に出て来るファッションや、小道具が良かったですね。
ちなみに篠原涼子さんも笑わせてくれました。
Posted by samurai-kyousuke at 2006年01月08日 17:15
小太郎たちが、大きい邦画とか、ツボとかを監督したいの?


Posted by BlogPetの小太郎 at 2006年01月09日 09:12
>acoサマ
そうやろ、あんさんならジトーっとした友情モノより、カラっとした漢気の濃いモノのほうが好きででっしゃろ。ってどこの人間だ、ボクは(笑)。
>tonbori堂サマ
矢沢心は悔しかったろうね。イチゴ役演りたかったろうて。でもイチゴはヤンキーでも素顔はファニーでないとイカンから無理と判断と推測。
>samurai-kyousukeサマ
見た目の奇抜さや笑いだけでしたら、この世間の評価はなかったでしょうね。重すぎてもヒットはしないだろうし、抜群の匙加減。
Posted by 森と海 at 2006年01月10日 23:18
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