2009年04月23日

**感情のデフレ化** 

 つーことで珍しくネット記事から。

その『涙の理由』は「優しい私」の指さし確認では?〜感情のデフレ化はどこかヤバイ日経ビジネスONLINEより(登録しないと2ページ目は読めません)

 作家重松清氏と脳科学者茂木健一郎氏の対談集『涙の理由』を取り上げた記事なんですが・・・。

 かいつまんで言うと、「泣ける」文章に精通した重松氏から見ても、最近の『泣ける』の合唱は、

〈いま、皆が流している涙は「悲しくて泣いているのではない」感じがするのね。悲しいから泣くのではなくて「優しさの談合」というか〉

 ということらしいです(読んでもいないのにさも読んだように)。

 映画ブログ的に言いますよ。CMの出口インタビューにて「泣けました!」なんて大合唱している映画を良く見かけます。で、実際にそんな映画を見に行ってほんとに泣いている人々って、「私ってなんて優しいの!」と集団でアピールしているんじゃないのですか?ってことですね。

 やけに最近、特に邦画に多いのが気にかかります。

 昔話でなんですが、ちょこっとお付き合いください。

 ご存知かどうか分かりませんけど、スピルバーグの監督作で「ET」という地球外生命体を主役に据えた映画がございました。当時、まだ人モドキでありましたワタクシも、友人たちといそいそと劇場に参りました。知らない方もいらっしゃるかもしれませんので、その地球外生命体の外見を説明しておきますと、なんと言いますか、緑のガチャピンを茶色くしてもっと奇妙にリデザインしたとでもいいますか、そしてまだ子供のはずなのに、老人のような弛んだ皮膚の持ち主という感じです。ご理解いただけたでしょうか?あとから知った話ですが、監督はわざと醜悪な形にしたようです。つまり「最初は醜く見えていたものが、最後は愛らしく見えるようになれば大成功」というテクニックを用いたらしいのです。

 えー、ミニウンチクは置いときまして・・・、結果から言いますと、みんな泣いちゃってたんですね、ボク以外は。いやぁ、不思議な光景でしたねえ。なんであんな化け物(笑)に同化して泣けちゃうのか?ストーリーなんてあってないようなあんな話にあんなに時間を使って、あげくの果てには無事帰りましたって・・・、ナメてるんですか(笑?使い古された表現ですが、ナチの党大会に紛れ込んだユダヤ人という意味が分かったような気がいたしました。

 で、その後が大変でした。一人あっけらかんとしていたボクは、人でなし扱い。まっ、ガキンチョだったボクらはもとより人モドキだったんで、ボクを含めて皆人じゃないんですけどね。

 涙を流すのは気持ちいいですし、積極的に泣きにかかる気も分からないではありません。しかしながら、「泣ける」の大合唱を煽り立てて、自社の取り扱い商品のヒットを狙う宣伝マンも罪深いと思いますし、それに乗せられてほんとに泣いている人たちも操作されすぎだと思います。著名人の重松氏は柔らかく当たり障りのないように「優しさの談合」という言葉を選んでますが、それでなくても「哀しさ」でも「面白さ」でも一方向に偏向した感想が述べられる今の状態からすると「感受性のファッショ化」と呼んでも差し支えないように思います。「画一化」とも言いますけどね。




posted by 森と海 at 21:57 | Comment(3) | TrackBack(0) | hoge
この記事へのコメント
自分はそーゆうのにすぐ流されちゃう(いやマジで)んで気をつけないと(^^;
たまたま趣味趣向が人様とちょっと違うのであまり表沙汰にはなってないけれど(苦笑)
でも画一化っていうのは上様な方々から見るとやりやすいんですよね。
だからそういう作品の大当たりを見て、『しめしめ』と思ってるような気もします。
Posted by tonbori at 2009年04月24日 23:51
私も泣くときには盛大に泣きますが、やはり人とずれ気味なので(藁)。E.T.でも泣きませんでしたし。

前にエントリでも書きましたが、要するに今、カンドーと涙はセット売りなんですね。今、映画に行けばもれなくどっちかがついてくるという。
>「私ってなんて優しいの!」と集団でアピール
これは前から思ってました。なんていうの? カンドーできる私の心ってなんて美しいのかしらん、あら、また涙が、という。ああ、なんて、えぐいの私(爆)。
涙さえ出ない感動もあれば、感動の無い空しい涙もあるんですがね。
Posted by acoyo at 2009年04月25日 07:42
>tonboriサマ
元々右へ倣えが得意な民族ですから、歴史からみても。そういった意味で、天邪鬼を見殺しにするのは得策ではないのですが、異質を排除することでも顕著ですからねえ。
本気で情報操作部をこしらえたら、もう思うがままですね。
>acoサマ
ただ、下手に心動かされたりしないぞっと自覚しすぎると、まったく心の動かない人になっちゃう可能性もあるんですよね。バランス考えないと。


このボクだって不意に涙そうそうした映画もあります。〈あの夏いちばん静かな海〉はほとんど辻斬りに近い方法で泣かせにかかりました、「北野、卑怯だぞ!」って本気で思いましたモン。
Posted by 森と海 at 2009年04月25日 19:27
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