フィルメックスで公開されたときから心待ちにしていた〈 SPL / 殺破狼 〉を、ようやくDVDで観ることが出来た。 しかしながら公式HPによると、 3月4日より新宿オスカーほかにて”男泣き”全国順次ロードショーですと。この全国順次っていうのが曲者で、 拡大と謳わないことからもプリントをあまり作ってなさそう。またまた、一ヶ月づつ違う土地でっていう公開じゃないの? デカいスクリーンで観たいものだが、果たして実現するのか?とりあえず小さい画面で見ることは叶ったので、現状では御の字ですわ。
監督ウイルソン・イップ 出演ドニー・イェン サモ・ハン サイモン・ヤム(香港の大杉漣) ウー・ジン他
さて、サモ・ハンとドニーの荒ぶる魂のぶつかりあいが話題ではあるが、果たしてそんなに凄いのか?・・・というと・・・ これがまたスッゴイ意地を通しあうゴツゴツした対決。ダメージなど精神力で跳ね返すかのようなスタミナで途切れることなく続くのだけれど、 格闘シーンだというのに飽きることがない。アクション監督も務めたドニーのアイデアらしいのだが、拳法に限らす、柔道・合気道・ 挙句にプロレス技まで飛び出す。三角締めあり小手投げありブレーンバスターありの技のデパート舞の海!サモ・ ハンもあの歳であの巨体でよく動く!というか、少々のドニーの拳や蹴りでは効きそうにないくらいの充実ぶり。 とてつもなく濃い格闘!
その対戦の前に、ウー・ジンVSドニーの路地での死闘もある。ウー・ジンの得物は長ドス、 警官のドニーの得物はビーバップでお馴染みの三段伸縮の特殊警棒。もう速過ぎ! 息が詰まるような超音速の鍔迫り合い(って言うか?)。 うまく説明できないが、こりゃ観なきゃ分からないよ。
監督のウイルソン・イップは若いし自らも役者出であるから、荒削りな演出かと思いきや、なかなかどうして技巧派である。 デジタルフィルターをかけた蒼い空・緑の海で別世界(楽園)を作り出してみたり(監督の意図するところらしい)。 車の事故をまず音でアナウンスして、そののちパンして事故の全景を伝え、事故前の回想を挿入し、その合間にサモ・ハンの裁判を挿入。 また事故に戻って、車から下りたウー・ジンがとどめを刺すシーンを写す。サモ・ハンの裁判にヤムらが証人を護送中、サモ・ ハンの刺客であるウー・ジンに強襲され、証人刺殺。証人不在でサモ・ハン釈放。証人の家族の中で唯一生き残った女の子をヤムが引き取る。 ほんの数分の中で、これだけ込み入った出来事をすんなりと語るその手腕は、ベテランもビックリじゃないですか。また、 アクションにばかり目が行くが、本来この監督は〈 OVER SUMMER 〉 あたりを見ても分かるとおり人と人の心の交流を描くことに長けた人らしい。本作では、折りしも父の日、警察官だろうが黒社会の人間だろうが、 組織を離れれば家族のいる男、それぞれが家族を愛していることを織り込んでゆく。この描写があればこそ”男泣き”に繋がるのではないのかなっと。
なんにしろ上手い監督さんだ。ボクは”男泣き”というより”せつなさ”を感じたんだけどネ。
トラックバック Web-tonbori堂『−SPL/殺破狼 狼よ静かに死ね−』
なんか、めっさ面白そうじゃないですか!
期待期待ですな。
でも、あまり笑わせてくれるとこはありませんよ。いたって大真面目。ただ、サモ・ハンの格闘中の唸り声だけは、デブゴン時代を彷彿させててマル。
『SPL』、私も劇場公開が待てず、アクションものなので言葉わからなくても何とかなるかな、という考えもあってDVD買ってしまいました。日本公式サイトのあらすじ読むと、ほぼ理解できてたみたいです、笑。
ウー・ジン戦でのあのスピードでのナイフさばきの技巧(一瞬手を離したり)とかしびれますね。ウー・ジン、『超酔拳』ではマスクが甘すぎるなぁと思ってましたが、今回はなかなか格好よかったです。サモ・ハン戦は二人が向かい合うだけで鳥肌物!大スクリーンで観たいものです。
なんでこの監督が『ラヴァーズ&ドラゴン』を撮ったのか…香港映画界は奥が深いですね、笑。
ウー・ジンは、自信を持って攻めているときはイイ顔なんですけど、いざ劣勢に回ると極端に情けない顔になってしまうのがなんとも・・・。マスクが甘いんですよね。それに比べてドニーの顔の大きい、んんん、凛々しいこと。
イップ監督の次回作は、ドニー・ニコラス・ショーン競演の漫画実写化のB級アクションらしいです。
おっしゃるように、冒頭の数分で背景を語る手段は見事でしたね。
アクションの凄まじさにも大興奮でしたが、ドラマ部分が予想以上に良かったです。
さすがドニーが「ドラマ部分は『マッハ!』より上」と言っていただけのことはありますね。『マッハ!』にドラマがあるかと言われれば微妙ですが・・・。
切ないやら、最後に話が出来て良かったやら、いろんなことを思わせてくれました。ウイルソン・イップの次回作にも期待したいところですが、・・・どうもバカ映画の臭いが漂ってます。
音楽は川井憲次なんですね!非常に楽しみ♪
川井憲次…毎回いい仕事するんですけど、ハイペースな仕事ぶりに次々出るサントラを買う余裕がありません、笑。
川井ちゃん、精力的に仕事してるんだけど、・・・「仕事選べよ!」って言いたい。〈 ブラディ・マロリー 〉。頭痛くなってきた。