2009年09月14日

**なんか変なもんでも喰ったかデ・パルマ?〈リダクテッド〉**

〈リダクテッド〉であります。いわゆる当局検閲済みの墨みたいなことであります。挙句にヴェネチア銀獅子賞であります。社会派かもしれません。

「聖戦をうたう勢力を、テロとの戦いという錦の御旗の元、見当違いな国に出張って戦闘し、その挙句に現地非戦闘員をあろうことかレイプ殺人してしまった兵隊をカメラは見た」風でなのです。ああー、長かったぁよう。

だからというか、流行のPOV風でもあります。まあね、POVは流行ですからとりあえず素材に対して効果的なら使う価値はありです。というかこの頃(2007年ごろ)が最大瞬間風速。

で、国内配給はアルバトロスとキタコレ。すっかりビデオスルーだと思っていたんすけど、ググッたら公開していましたんで、いきなり目論見が崩れましたよ。正直、ドコでかかっていたとか、ヒットしたしないなど、皆目記憶にありませんでした。んー、デ・パルマがイラク戦争を撮ったって聞いたような気もしてます。そのとき思ったのが、「デ・パルマってオリバー・ストーンみたいになりてーのかなあ?」って。

「この戦争を記録して、映画学校に入学するんだ」と息まくサラサール上等兵が、傍観者としてカメラ回し続けるところはジャーナリズム批判ぽくて、小変態デ・パルマがおかしくなったかと思いましたよ。犯罪者視点がデ・パルマの専売特許。と思って見ていますと、なんだやっぱりカメラは傍観者で居られないのだとばかり、ずんずん禁断の現場に踏み込み始めます。共犯の道ね。そこいら辺は、まあデ・パルマらしいにはらしいのですけど、いかんせん背徳の道に頭から突っ込んでいくようないつものキレはありません。でももしそんなんだったら、本国で叩かれるのは必至ですから、賢明ですね。

まあそれにしてもブライアン・デ・パルマらしくない。らしくなくても、それなりに観れるのであれば文句もないのですけど・・・。観ていて胸糞悪くなるのよね。単純に事件の元凶フレーク上等兵だけを憎むことが出来れば、どれだけ溜飲が下がることだろう。でも、コイツだけを責めるわけにもいかないのですよ。コイツだって、日々の任務で神経がほとんどイッちってる訳で。なにも戦争が起こってなかったら、単なる南部に住むバカの一人な訳で。その割りに、肝心の軍のリダクテッド(隠蔽体質)についての描写は、あまり時間を割いていないし・・・。

やっぱりね、こういう話は監督にごり押しの力技がないとサラーっと流れてしまいますね。言いか悪いかは別として、その肉体からプーンと怒り汁が発散しているような監督、例えるなら前述のオリバー・ストーンあたりが撮るべきです。オリバー・ストーンだと観る前から、もう観たって気持ちになる虞は十二分ですがwww。デ・パルマだと線の細さばかり目立ちまくりです。絵が弱いのよ。

そんなこんなで、らしくないなあと合点がいかずに映画は終わるのかと思ってましたら、起死回生9階裏逆転ホームラン!最後の最後に持ち味を発揮してくれました。ストップモーションというか、スチルですねこれは、従軍カメラマンの撮影と思われる実際のイラク市民の遺体が何枚も何枚も映し出されます。ここまでなら、ダレでも構成しそうですが、デ・パルマさんは一味違います。劇中の米兵によるレイプ殺人の被害者15歳少女の亡骸を最後に持ってきました。それなんてブラックダリアと言ってしまいそう。ココだけはブライアン・デ・パルマさんでした。

posted by 森と海 at 21:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | Movie(米)
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