2009年10月04日

**〈チェンジリング〉こいつは重要だ**

クリント・イーストウッド作品といえば、ここ最近なら「迷わず〈グラン・トリノ〉じゃん」という声を聞きますが、イーストウッド作品はイーストウッドが出ていない作品のほうが重要というまことしやかな噂を聞きますモンで・・・。

ちなみに、コイツも実話物。いわゆるTRUE STORYってヤツでございます。1920年代に発生したゴードン・ノースコット事件が元になっているのですが、映画はデヴィット・フィンチャーの〈ゾディアック〉のように直接事件を取り扱うようなことをせず、被害者となったウォルター・コリンズの実母クリスティン・コリンズを中心に据えています。

そのクリスティン・コリンズを演じるのがアンジェリーナ・ジョリーでして、過去の出演作をないがしろにするぐらい、戦前の米国女史を粛々と演じています。いわば、IOCの選挙前日にロビー活動に精を出すミシェル婦人など想像もできないくらい慎ましやかな婦人です(笑。

そんなコリンズ婦人が、息子を失い(ことは誘拐で事件なんです)、その息子が帰ってきたかと思ったら全くの別人。ロス市警に訴えるも、体面を保ちたい市警の担当官は精神疾患として病院に幽閉。プロテスタント牧師の活躍と事件の発覚によって病院を退院することが出来たコリンズ婦人は、非人道的措置(精神病院への強制入院)を裁判で明らかにし、一方、ノースコットの絞首刑を見届けたが、その後になって誘拐された少年の脱走劇の披露によって、息子の無事を盲信するといった内容。すげええ早口。

時代は戦前、ウイメンズリブの声もまだ聞こえない頃。そんな時期に慎ましやかな婦人が信念を曲げない・ロス市警を糾弾する・息子の無事を信じるという姿勢がまことに男前!

ことは悲劇ですけど、そこに描かれる婦人像は、数々のイーストウッド作品で描かれたぶれない人を描いていて、それはもうイーストウッドそのままと思いました。

ウォルターは無事というクリスティンの根拠なき盲信こそ、イーストウッドの真髄とまさに確信いたした次第でございます。

前日に、〈バーン・アフター・リーディング〉を観たんですが、まさか二夜続けてマルコビッチを見ることになろうとは!

posted by 森と海 at 21:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | Movie(米)
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