2010年03月27日

**いい刀は鞘に入ってるもんですよ〈愛のむきだし〉**

まずは、〈ハート・ロッカー [DVD] 〉アカデミーおめでとう!(いやね、この台詞、学生んときコンサート警備のバイトをしたとき、最前列中央に構えていたワタクシの後ろで長渕剛 が開口一番「まずは結婚おめでと!(悦っちゃんと)」のパクリ。使い方は違うけど、使いたがりw)

このアカデミー受賞を堺にして、その1週間前に始まった日本公開に合わせて観た人々はユッタリと観ることが出来た勝ち組。そんなに慌てなくってもとゆっくり構えていたら授賞後人が集まっちゃってチケット取れねーよとなってしまった人々は負け組(いや、実際のとこシラネーけど)。そして・・・、近場で上映館がなくてその祭りにさえ参加出来ない地方在住者、んーーー残念!それってオレじゃんなさけなう!

まあ、悲喜こもごもではありますが、地方在住者はシアター・デバイド、しょうがないのでございます。だからDVDで観るおー。てか、この〈愛のむきだし〉も上映館が近場になかったのでありまして、噂だけは知ってたけど観ることは叶わなかった。・・・まあでも、監督は「いっせーの、せ! 」の園子温さんですから、上映館があってもスルーして後悔していたのかも・・・ですw。

さて、タイトルの「いい刀」云々は、〈椿三十郎〉でやたらと殺生する三十郎に対して奥方が言った台詞

あなたは何だかギラギラし過ぎてますね

そう 抜き身みたいに

あなたは鞘のない刀みたいな人

よく斬れます

でも本当にいい刀は鞘に入ってるもんですよ

なんですが、正直この〈愛のむきだし〉のこいつらのむきだしの愛を観ていて、あまりの周りの見えていなさに「こいつら抜き身だ」って思いましたんで。むきだしの愛っていうと、タランティーノ原案の〈ナチュラル・ボーン・キラーズ〉とかタランティーノ脚本の〈トゥルー・ロマンス〉とかデヴィット・リンチの〈ワイルド・アット・ハート〉なんてーものを思い出しますが、すべては〈バットランズ〉に集結し、しかも元を正せばチャールズ・スタークェーサー&カリル・フューゲートの実話に帰結するんですが、スタークエーサー達は基本的に2人で迷惑な逃避行をしただけの犯罪者。〈愛のむきだし〉はどちらかと言うと、遠慮会釈ない一方通行の愛?かな?こう書くとなんだかストーカーチックだし、相手はツンデレかよ?と思われそうだから、言い方間違えてるのかもしれない。かといって、一途とか無償のなんて言葉も外れているし。なんだか例え様が無い。

ストーリーに関しては公式サイトで確認していただくとして、出演はエイベックスがゴリ押しのアイドルグループAAA(トリプルエー)の西島隆弘、ウルトラマンマックスのエリー役で知られる満島ひかりの2人に加えて、奥田瑛二・安藤和津の外見悪いとこ取りの娘・安藤サクラが絡み、その他渡辺篤郎・渡辺真起子といった曲者が脇を固める。AAAの西島隆弘は映画初出演とのことだが、そのエキセントリックな役柄の為か、意外にイケている。ありがちな頭を抱えるような酷い演技はないので安心して観られる。特筆すべきは上映時間が237分にも及ぶこと。4時間弱なのだからよっぽど練られた脚本でなければ、普通タレる。が、ソープオペラのように次々と事件が起こり、それを追い続けるため、ほとんど退屈することはない。これがもしテレンス・マリックのような心理描写の風景カットでも続いた日にはは、キツかったかもしれないね。しかもその展開の早さにプラスして、園子温さんですから、変態・カルト系のネタが目白押し、刺激的です。

さてさて、公式サイトを見ても分かる通り、一応実話ベースとのこと。それがどの部分なのかはセルDVDの特典では監督自ら語っているらしいが、どうもほんとに盗撮のエキスパートの兄さんの妹さんがカルトにハマり、その妹を教団から奪回した(洗脳をを解いた)という話があったらしい。そいつをベースに、カトリックの神父のオヤジというネタを絡めて、物語を作り上げたようだ。園子温、シオンですからね、監督はクリスチャンか、少なくとも造詣は深いでしょ。でなきゃシオンなんて名乗るはずがない。では、街田しおんもそうなのかと聞かれると全く自信ありませーんwww。ざくっと感想をば述べとくと、うーん、たぶん2009年の邦画のなかでは一番面白い作品かもしれない。優れた作品と呼べるかどうかは分からないが、面白くて、切なくて、カタルシスを感じられる作品。長いので気軽には観れないけど、また観たくなる後を引く作品ですね、ワタクシのなかでは。それはなぜだろう?と自問すると、・・・確信はないがたぶん西島隆弘演じる本田悠(通称:ユウ)が羨ましいのだろうと。ここまで純粋でひたすら愛するということが、普通にボンボンと生きる自分にとって、眩しくもあり妬ましくもあるのだろうと思う。イヤ彼は変態ですけど、ワタクシ個人としては変態と後ろ指を指されるのは遠慮願いたいのですが、だがそこがいいwww。男の子であればユウに、女の子であれば満島ひかり演じるヨーコに自分を無理やり投射して見てしまいます。なんていうか、感情移入させるのが途方もなく上手いホンであり、演出です。まあ言ってる通り、普通の人には何一つそのキャラクターとの共通項は無いはずですので、羨望の眼差しなんですが・・・。それともう一つ、主人公は名はユウなんですよ。”ユウ”とは実は”YOU”であり”貴方”、つまり観ているこっちのことなんです。これはユウの物語であり、観ているこっちの物語でもあると。いやあ上手いですねえ。この理論はSEGAサターンの『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』で学びましたwww。

3月29日追記

忘れてた。最初のほうで、神父の渡辺篤郎に西島隆弘が盗撮をしていることを懺悔する場面があるのだが、そこのバックミュージックが交響曲第7番第2楽章!いやもうね、ドコの国営放送かとwww。

posted by 森と海 at 20:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | Movie(邦)
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