2010年05月02日

**〈Dolls〉邦訳付けるなら人形達?**

世の中GW真っ盛りでありますが・・・。

商業誌であれば、GW進行といえば4月中旬が忙しくて肝心のGW中は一切の動きなしでありますが、そこはそれこちとら個人の暇つぶしBlogですからGW中は更新が多くなるという逆GW進行。暇あるしw。

で、数ある北野武監督作品中で唯一見逃していた作品について。

上の画像はプロモートの画像ですから、スチルに処理かけて異常に紅葉の赤を強調していますが、本編中でも紅葉は美しいなあ。春の桜のトンネルも素晴らしい(浜松なんとかパークらしい)。冬山も出てくるし、夏の海岸(コレが絵的にはちょっと残念な写り)もありまして、四季折々の趣深いというかなんというか、・・・そうジャパネスク!カタログとしても使えますねw。

物語は上の二人の流転に2組の男女のエピソードが挿話されるもので、詳しくは省きますが、見るからに単純な話。タケちゃん省略の人なんで、懇切丁寧なおもてなしは一切期待できません。それで???となる人も時に居るのかも?

見るからに心中物ですけど、情報によれば近松門左衛門の心中浄瑠璃「冥途の飛脚」が元になっているとのこと。冒頭の人形浄瑠璃の部分がまさにそれのようです。タケちゃんはそれを人で置き換えたと。で、人形浄瑠璃をそのまま人で実写化などというイタイことはせず、シンプルに構成しています。

心中=道行×(金+女郎屋+故郷+・・・etc)

というような物語の構成の解体を行った結果、道行(=道逝き)さえあれば心中は成り立つとして、バッサリと要素を省略しています。そのままでは、ただダラダラ2人歩くだけとなってしまい映画にはなりませんので、負に向かって転がる男女のエピソードを2つほど織り込むという再構成を行なっているようです。

まあ、かなり考えて作っていることは疑いようはないです。ですがそこには、近松の心中物の一つもモノにしておきたいという名誉欲も透けて見えます。増村保造〈曽根崎心中〉や篠田正浩〈心中天網浜〉や五社英雄〈女殺油地獄〉と並ぶことになりますからね。よくまあここまで狙ってくるなあと感心しきり、と同時に狙ってばっかりで苦しくはないのかねえとも思います。なんだか窮屈さが画面から伝わってくるんですよ。サブのエピソードである三橋達也さんの話や深キョンの話がノビノビしている分、余計にそう感じます。

〈HANA-BI〉でそれまでの作品群の一応の纏めを送り出し、一定の評価を受けました。がその後、ヨーロッパ圏での評価には満足したとしても日本での動員の低さに対しての迷いが、その後の作品には見受けられます。ファミリーを狙ったり、ハリウッド志向の層を狙ったりしてみたものの、興行動員はさっぱり。では文芸作でと、本作を撮りますがやはり興行的にはイマイチ。浅草の重鎮に勧められて有名時代劇をリメイクしたところ、まあまあの動員は得られたのだけれども、その路線を続けられるハズもなく(蛇足だけど、この偉大な方の当たり役を現代に蘇らせた功績は大きいと思います。改変しなけりゃオリジナリティがないと言われ、下手に改変すればオリジナル原理主義者の酷評にあうという地雷ですから下手に手を出せない。曽利さんも阪本さんも最初に手をつけてくれて有り難かったと思いますよ)。その後の3作品は、気も狂れんばかりの内省的なものを繰り返していて、その苦悩を垣間見せています。興行成績か芸術かといった二択に揺れているのなら、まだどちらか選ぶだけですが、芸術狙っても国内ではあまり評価されないのですから始末が悪い。そりゃあ悩みは深いと思いますし、単純にスポンサー問題で撮れなくなる恐れも有りますしね。

悩み抜いたらもう悩まないってことですよ。

監督やっててノリノリで撮れるもの、興行的にも下世話なもの、役者は見たことあるような親和性の高い方々、「じゃねーと金出さねーよ」って言われたらこうなりました。

そうそうコレでいいんだよ、これでwww。

posted by 森と海 at 16:12 | Comment(2) | TrackBack(0) | Movie(邦)
この記事へのコメント
『アウトレイジ』は久々にふっきれてる感じで楽しみです。

『Dolls』は映画館まで観に行きました、デートで、笑。で、帰りにまっさきに深キョンのCDをレンタルしました、笑。当時はなんで『Brother』のあとこういう映画かな〜と思いましたがこの記事でなるほど、と。
有名時代劇は三池監督×哀川翔の舞台DVDを観てみましたが、このコンビで映画をやってほしかった…。
Posted by Cardhu at 2010年05月03日 20:41
〈アウトレイジ〉は楽しみだよねーっ。
久々にバーサーカー映画を楽しめる。上の予告編見ると石橋蓮司さんがいつものいじめられ役やっているようだしwww。
Posted by 森と海 at 2010年05月03日 22:03
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