2010年11月14日

**東宝特撮第参拾弾〈エスパイ〉**

11月9日発売の東宝特撮映画DVDコレクション第30号〈エスパイ〉です。〈伊豆の踊子〉併映で公開されたあの日あの年見逃して早30数四年。やっと見ることが出来ました(キリッ。従兄弟のネーちゃんは百恵ちゃん友和くん映画を欠かさず観てたのできっと観ているだろうけど、当時全くと言っていいほど言わなかったよなあ。呆れたんだろうか?www

地元のレンタル屋には入荷してませんけど、DISCASならレンタルできたはず。ですが、どうしても観たいという強い欲望は無かったんだよね。まあ、それくらいのレベルの渇望でした。この手の名作とかエヴァーグリーンとか言われない、時代の徒花的作品はチャンスを待ってればいずれ観ることになりますから。イヤ本当にそうなんですよ。〈俗物図鑑〉観たいなあと思っていたら突然その街でかかったことだってありますしwww。

で、東宝特撮映画DVDコレクションの一部ですから、巷のブロガーが書いてんだろうなあとググってみますと、予想どおりいっぱい上がってますねえ。しかも日付を見ると、本シリーズが発売された前はいきなり一年以上も間隔が空いていたりしてwww。全くのノーマーク作品だったんですね。

その数多のブロガーさんの意見を集約すると、大体オッパイ。モチロン由美かおるのおっぱいは偉大です。ですが、あとは見るものがないというのは作品がかわいそうです。

ではまず時代背景から。この作品が公開された年1974年にはユリ・ゲラーさんが来日され、うさんくさい特番とくれば何処よりも得意とした日本テレビに出演し、空前の超能力ブームが起こった年でした。清田益章くんの人生を変えた年でもありました。そんなブームのさなかに、超能力を扱った映画として満を持して選ばれたと思われます。同じ年の実写版〈ルパン三世〉が内容とかけ離れたサブタイトル〈念力珍作戦〉を付けたことも同様な理由によるものと思われます。

確かに、今現在21世紀目線で本作を観ると、脚本は穴だらけ(テレポートの出来る逆エスパイがワザワザ大衆の面前に出向く必要はないとかいろいろ)とか、サイコキネシスの見せ方がザーとらしいコマ抜きだったりとか、そもそもタイトル曲がいきなりムード歌謡調で腰砕けだとか、まあ言いたい放題いろいろ言えますね。もちろんワタクシだって、21世紀の映画指標を基準に観ればそう感じます。では、1974年にどんな映画が日本で公開されたのか?有名作だけですが、wikiに面白いページがありました。ここによるとこの年公開された映画には、洋画では、〈ダラスの熱い日〉〈ペーパー・ムーン〉〈パピヨン〉〈追憶〉〈スティング〉〈エクソシスト〉〈セルピコ〉〈007/黄金銃を持つ男〉〈アメリカン・グラフィティ〉〈エマニエル夫人〉と大変な豊作の年でして、この他にも当方調べでは、日本公開こそ遅れたものの世に出た凄い映画もいっぱいです。一方邦画では、〈愛と誠〉〈ノストラダムスの大予言〉前述の〈ルパン三世 念力珍作戦〉〈伊豆の踊子〉〈砂の器〉など。当方調べではそのほか〈龍馬暗殺〉〈殺人拳地獄拳〉シリーズなどもそうです。

当時は空前の邦画ブーム(渡り鳥シリーズとか)も終焉し、もっぱら長い長い洋画が主導のころです。このような中、ある制作会社は有名文学作を原作に頂いた文芸大作路線に活路を見出し(言ってみれば松竹さんですね)、ある会社は実録路線と称してヤクザものを連発し始め(言わずと知れた東映さん)、予算の小さい作品に関しては小ヒットを狙うべく大衆娯楽作に特化した時期であろうと思われます。同時期にJJサニー千葉ちゃんが郷^治とバカやっていたんですよ。娯楽に徹することこそが、新聞連載の通俗小説を原作にいただく本作〈エスパイ〉に命題であったと思われます。

〈エスパイ〉は、一見イスタンブールやスイスといった海外ロケを行った大バジェット映画のように見えますが、風景以外はそのほとんどがスクリーンプロセスで撮影されていて、役者の海外拘束はほぼ無かったと思われます。多分撮影スタッフのみが現地に出向いて、国内撮影の役者の演技に繋げた模様です。一箇所だけイスタンブールに藤岡弘、さんが居るようなカットがありますが、そこはどうだったのか今更調べられません。〈日本沈没〉も海外ショットは多いけど、実際は行ってないショットが多いのです。しかしながらこちらは特撮では巨大なセットを組んでいて予算喰っています。そういう意味では、大規模な特撮ジオラマの必要なかった〈エスパイ〉は安く上げられたのではないでしょうか。そんな予算の限られたなかでも、ESPの発現をオーラとして実際の画とした冒頭の画像とか、テレポートの際の田村(藤岡弘、)の残像などは工夫を凝らしていると思います。テレポートの画としては、円谷プロが〈ウルトラマン〉にて既に足から順に消えるというパターンを作っていますので、中野昭慶さんとしては東宝特技監督としての意地として違いを模索したのではないのでしょうか?本篇監督の福田純さんは後期あいたたゴジラの監督こそ取り仕切っていますが、若大将やコント55号の映画も経験した娯楽作量産監督であるように思います。職人監督なんでしょうね。そういう意味では、本多猪四郎さんなんかと比べるのはお門違いではないかと。

そんな訳で、今観るときわめてヌルイ映画ですが、超能力バトルを〈スキャナーズ〉〈キャリー〉よりも早く扱った映画として、誇れるものではないかと思います。田村が能力を失っているところは単なるアクションじゃないかなんて言っちゃダメですよw。そんなこと言っていると、ワタクシの瞳にギューンという効果音と共に貴方が映り込むかもしれませんwww。





Amazonでディアゴスティーニ扱えばいいのにね。

posted by 森と海 at 19:46 | Comment(7) | TrackBack(0) | Movie(邦)
この記事へのコメント
お久しぶりです♪
「エスパイ」、題名だけは記憶があるんですが、これって小松左京さんの原作だったんですね。
なるほど、今の視点で見ると批判はし放題の映画みたいですが、
当時の視点で考えると、様々な味わい方があるということですね。納得です。
内容は面白そうなので、今の技術や発想でリメイクしたら結構イケる作品になるかも、かも?
Posted by kiyotayoki at 2010年11月16日 08:27
リメイクしたらというのはワタシも想像しましたが、〈Xメン〉や〈ミッション・インポシブル〉の亜流の演出に成り下がりば悪寒がして、本文中で触れるのは止めました。
そういう意味で〈ヱヴァ〉の庵野氏は、円谷演出を未だに引っ張ってくるだけ、(安易にハリウッド手法に流れない意味で)マシだと思います。
Posted by 森と海 at 2010年11月16日 20:18
お二人のコメ読んで、エスパイ、庵野氏が『ヱスパイ』としてリメイクしたら面白いなーとか思いました。
いやマジでやってもよかろうでは?ヤマトも実写化する世の中だしww
Posted by tonbroi at 2010年11月16日 21:01
庵野さんだと、テレパシー表現は「SOUND ONLY」なモノリスになったりしてwww
冗談抜きで、悪の組織を大きな団体に描いてくれそうで燃えますね。
Posted by 森と海 at 2010年11月17日 22:43
突然で申しわけありません。現在2010年の映画ベストテンを選ぶ企画「日本インターネット映画大賞」を開催中です。投票は1/20(木)締切です。ふるってご参加いただくようよろしくお願いいたします。
日本インターネット映画大賞のURLはhttp://www.movieawards.jp/です。
なお、twitterも開設しましたので、フォローいただければ最新情報等配信する予定です @movieawards_jp
Posted by 日本インターネット映画大賞 at 2010年12月18日 11:26
お久しぶりです。
1年もほったらかしにしてしまったブログですが、なんとか復活しましたので、今後とも宜しくお願いします。
知らない間に『マッド探偵』公開決まったんですね!
Posted by micchii at 2011年01月16日 00:35
>micchiiサマ
お久しぶりです。
ワタシも3ヶ月ほどお休みしていました。
映画もDVDもほとんど観ていませんでした。
ついこの間、ようやく〈復仇〉観ました。
Posted by 森と海 at 2011年02月21日 21:48
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