2006年04月28日

**〈 修羅雪姫 〉を観て思ったこと**

 ここのところ風邪をひきまして、仕事は休めないのでコチラを休ませていただきました。ゴホッ、ゴホッ。なんと言いますか 「馬鹿は風邪をひかない」という諺もありまして、これで正真正銘、 ボクは馬鹿ではないということが証明されたようです。阿呆だったんです。

 ということデ、風邪ひく前に観た〈 修羅雪姫 〉73年梶芽衣子版について。リハビリかな?

 

 「機会があれば観たいと思っていた作品ではありますが、購入するほどの積極性はない」という微妙な関心度でありました。 それもこれももちろん〈 斬るビル 〉のせい。〈 斬るビル 〉を観ようと劇場に入った時、 前の回の上映がクライマックスに差し掛かった頃でした。扉越しに聞こえてきたのはあの歌。

−死んでいた朝に、ともらいの雪が降る− 作詞 小池一雄「修羅の花」

 「今、昭和?ねえー、今、昭和なの?!」 思わず周りの人に聞きそうになったくらい郷愁の昭和でございました。思えば昭和も遠くなりにけり。

 昭和の邦画も昨今のコンテンツ不足の煽りからか、少しでも話題に登ったまたは登りそうな作品は次々とソフト化されています。 ありがたやありがたや。

syu12  時は明治6年、徴兵逃れを口実に農民から金を騙し取った竹村伴蔵(仲谷昇)、塚本儀四郎 (岡田英次)、北浜おこの(中原早苗)、正景徳市(チイチイ)らは、村に赴任してきた小学校教師の鹿島剛(大門正明) と息子の司郎を撲殺し、剛の妻・小夜(赤座美代子)を犯した。そして時は流れて、徳市殺害の罪で無期徒囚となった小夜は、 獄中で雪(梶芽衣子)を出産。積年の怨念を娘雪に託すと息を引き取った。道海和尚(西村晃) のもとで修羅の子として剣術の激しい修業をつんだ雪は、残る怨敵伴蔵、儀四郎、おこのの探索を、日本全国の乞食を束ねる松右衛門 (高木均)に依頼するのだった。(画像は、松右衛門を訪ねた際乞食の皆さんに「オマワシだい!」と囲まれる雪さま。)

 「あのう、雪さん?お父さんは大門さんと違うんですけど?」それは言いっこなしとしても、とんでもない理不尽ワールド炸裂! 監督は誰よ?と思ったら、ボクの世代では役者のイメージも色濃い故藤田敏八氏。傷つきやすい青春物の人かと思ってたよ。本作もいわば、 運命に翻弄されて青春を謳歌できない女の物語であるからして、骨は一緒だけど・・・、腕が飛ぶ、 胴から真っ二つの切り株派も納得の血みどろさ。明治という近代国家に向かってもがいていた混沌とした世相も、雪の出目にしても、 ドロドロとしている。レストランでは味わえない田舎の親戚んちのお祝のよう。儀四郎殺害をクライマックスに持ってきているが、 ラストに向かって尻すぼみまっしぐらなのが、少々残念だ。

 んで、最初に戻って〈 斬るビル 〉が公開されたとき、「この場面は〈 子連れ狼 〉」だの、「ここは 〈 Thriller - A Cruel Picture 〉」だの、「ここは〈 空飛ぶギロチン 〉」だのって、 盛んに元ネタを披露してた。うんにゃ違うね。そいつらはアイデアを拝借しただけ。〈 斬るビル 〉のすべては〈 修羅雪姫 〉にあったんだ。 人体切断という激しい描写も、時間軸を入れ替えた編集も、パーティ会場での死闘もそこにあったんだ。映画を章に分けて、 しかも時間軸を入れ替えて、観進めるうちに全貌が明らかになるというタラが絶賛された手法も、 なんのことはない随分昔既に実践されていたんだ。タラは「GREAT!」と感激して、そのまま手法を真似たんだろう。 それと梶芽衣子LOVEな気持ちをそのまま伝えたんじゃなかろうかと?ラブレターだったんですね(笑)。

 なんども言うようだけど、時間軸バラバラ・デジャブのように巡る寄場の出産シーン、それぞれの場面が一つの形になってゆく様は、身震いがするほど素晴らしい。 その編集を見るためだけでも〈 修羅雪姫 〉を観る価値がある。血の気は多いですか・・・。

 

posted by 森と海 at 00:26 | Comment(2) | TrackBack(0) | Movie(邦)
この記事へのコメント
個々のネタに引っ張られて大元が見逃されてしまったという事かあ。
もっともラストシーンなんかは散々「修羅雪姫」のオマージュと言われていたような気もするけれど。そのあたりはどないでしょ?
Posted by tonbori at 2006年04月28日 23:12
うん、思いっきり言及されてた。
でも、配給会社は本作の一部のみを引用したような宣伝形態を取ったんだ。それがタラサイドの意向であったにせよ。
ボクが思うのは、一部じゃなくて骨子の部分を丸々移植して、差別化のために他のエッセンスを盛り込んだと。
言い方を替えると、〈 斬るビル 〉は本作へのオマージュじゃなかったのかと思えるのね。悪く云えば、セ配給会社の暴走とも見えるんだ。
違うかな(笑)?
Posted by 森と海 at 2006年04月29日 00:08
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