2006年05月28日

**カスタムガンへのこだわり〈 ダブルタップ / 鎗王 〉**

 ここのところ『医龍』やら『ザ・ヒット・パレード』やら、TVをだらだら見ちまって全然エントリーを上げられない。 これがスタンバっているというのに。

 巷のノワール大好きブロガー(tonboriさんやmicchiiさん)が、ボンボンエントリーを上げている 〈ダブルタップ / 鎗王 〉を、ようやくのこと観ることができた。噂によると、銃へのこだわりは半端ではないという。 「中途半端なことしてたら、承知しねーぞ!」 という意気込みで臨んだのだよ。

 しかして・・・。

 

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 ハイ! いきなり間が抜けた面持ちの方中信さんで申し訳ない(いつもは格好いいのだぞ)。それに対して、 張國榮の肝の据わってること。

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DVD_VIDEO-9  それはIPSC(International Practical Shooting Confederation イプシック)香港オープンの会場で起こった。前日までの成績は、 ゴルフで言うならば、リック(張國榮) がイーグル後にダブルボギーを叩くような出入りの激しい成績(ダブルボギーの方は、 ゴルフで言うならば、アドレス時の『お静かに』 を破るようなスポーツマンシップらしからぬ妨害が入ったため)。対する警官ミウ(方中信)の方は、 堅実にバーディーを取り続けるような成績でトップに立つ。最終日、リックは驚くべき集中力でチップインバーディーを奪取、 トップタイでミウ並んだ。いよいよプレーオ フが始まるという時、株価の暴落で破産してしまったミウの同僚” 生瀬”が自分に掛かった保険金欲しさに、クラブを振り回して暴れ始めた。「オレを殺してくれ! 」と。突然のことと同僚と云うことで固まるミウの姿が一番上の画像。”生瀬”はついにリックの女にその矛先を向けた。と、 そのときリックはクラブを3番・5番アイアンの2本に持ち替え、”生瀬”の頭に向けてフルスイング。 2本のクラブをスイングしてほぼ同時に当てる高等技「ダブルインパクト(バンダムのそれとは違う)」である。動揺するミウ、 冷静沈着なリック、2人を追う者・追われる者に分けた運命の分水嶺であった。

 あれ、どこからかシューティングがゴルフになっちまった(笑。この競技やその背景については、 tonbori氏のエントリー「ダブルタップ」に譲るとして、拳銃に注目してみよう。この競技に使用されるレースガンだが、 基本的に画面に写るのは、コルト45オートのパテントが失効した後に次々と現れたいわゆるガバメントベースのカスタムガンだ。 リック使用のガンのトリーガーの肉抜きを見ると、あれはSTIあたりかも知れない。 しかもエキスパートクラス向けのフル装備てんこ盛りである。ほら、妙にデカい照準器(ダットサイト)が付いてるだろ。アノ映画でロイ・ チョンがライフルと互していたあの銃にも付いていたような・・・。いずれにせよ、コーディネイトした人は、妥協は許さなかったようだ。 細部がホンモノだけにこのトーナメントの部分は妙に心躍る。

 さて、レスリー・チェン。この映画における正気と狂気の間を行き来するレスリー・ チェンの演技は鬼気に迫るという。そうかぁ?逝っちゃった人を演じるには、 言葉は冷静で丁寧だけど眼には紅蓮の炎を宿しているというのが一般的なのだけれども・・・、全く持ってそのまんまなんだよなあ。 なんというか、意外性のない狂人。人を撃つことに喜びを覚えた男が、3年間も悩み苦しむなどという全く信じられないシナリオも?なのだ。 初めて人を撃ち精神科医のセラピーを受けたあと、帰りに女に「実は喜びを感じた」とカミングアウトするほどの男が3年も苦悩するぅ? NOTHING。ありえない。そんなに待てないはず、最高でも1年以内には次の喜びを得ようとするはず。あとね、 苦悩している様の回想部分も、・・・あれはやっちゃぁいけないよね。

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 ラストの決着は2人向き合っての早撃ちっていうのも芸がない。なんのための前半の実践的射撃競技なのか。 2人は障害物ありの移動ありの射撃競技のトップランカーなのに、それを全く生かしていないもんね。設定が生きてこない。 早撃ちってこれ西部劇なの? 

 強引にまとめると、始めに銃ありき、 銃自体が主張しすぎて最初から最後まで幅を効かす銃マニアには堪らない映画だ。それで良いのかっていうと、ある意味良くて、ある意味悪い。 非常に観る人を選ぶ映画かと・・・。

posted by 森と海 at 00:44 | Comment(10) | TrackBack(2) | Movie(華)
この記事へのコメント
TBありがとうございました。
ずいぶんと手厳しいですね〜。でも、おっしゃるように、ラストの対決は芸がない・・・。
“生瀬”ウケました。
Posted by micchii at 2006年05月29日 12:47
リックの狂気にミウまで飲み込まれて、最後まで付き合ってしまったってとこでしょうが、それにしてもね(笑。”ハッタリ”がないためwonderがないと思うのですよ、父さん映画をたくさん御覧になっているmicchiiさんなら”ハッタリ”の意味するところは理解できると思いますが、リアルにリアルに進めた結果が尻すぼみになっちゃったんじゃないかと。
で、もうひとつ云えば、ラストのガンファイトをスローで写すこともなかったと思います。
Posted by 森と海 at 2006年05月29日 20:33
ラストの対峙のスローは確かにそう。
一番最初に観たときあそこだけはちょっとがっくりだったし。
でラストの映画館の降りは結局自殺願望と自分の合わせ鏡でもあるミウと正面で撃ちあうことでケリとつけたかった・・・かもね〜と言ってみるテスト(苦笑)
Posted by tonbori at 2006年05月29日 22:52
こんにちは、はじめまして。
私の場合、香港映画をよく観る様になったのは、
この作品を観たのが切欠です(次に観たのが『鎗火』です)。

この作品のタイトル「ダブルタップ」は『コラテラル』でも見られる様に「プロ」の技を意味しているのですが、《IPSC》を主体の描いている作品としては貴重な作品です。

「銃」はガバメントのパテントが失効する以前から使われていた「マッコーミック(チップ・マコーミック)」タイプといわれる「ハイキャパシティ(ハイキャパ)」フレームのガバメント・タイプで「STI」のパーツをベースにした「SV( ストレイヤ-・ヴォイト)」製のものです。

《IPSC》基本的に「スティール・チャレンジ」と呼ばれるプレート・マッチに比べると、バリケード等を設けたタクティカル(実践的、戦術的)な競技ですが、基本的には『速さ』を競う競技なので私はラストのシーンはもとより全体的に完成度の高い作品だと思いました(ラストのドロゥ・シーンは見事です)。
Posted by lomo at 2006年05月31日 18:42
>tonboriサマ
ラストの撃ち合いはねー、それまで新幹線だったのが旧に鈍行になったみたいで萎えました。オンタイムだとなにが起こっているのか分からないという配慮もあるでしょうが、分からなくてもいいという開き直りがあればもっとステキだったかと。
>lomoサマ 始めまして。
詳しい人キター!(茶化しではなく心から切望しておりました)そうですか、あの銃はそういうものだったんですか?やっぱり9ミリ弾ですか?同じカートリッジをリロードして火薬量とか増やせるの?
あの下腹部に装備するホルスター?(アタッチメント?)でないと、全然対応のしようのないミリ秒の世界だと思いますが、スローは要らんとも思いました。
Posted by 森と海 at 2006年05月31日 22:37
>森と海さん
こんばんは、私は実銃を撃った事が無いのですが、『ダブルタップ』の冒頭では「リロードマシン」という、あまり映画では観る事が出来ない工具を観る事が出来ます。

「リロードマシン」というのは簡単に説明すると「薬莢(カート)」の「火薬」を詰める為の機械です。(後は「火薬」を詰めた「薬莢」に「弾頭(ブレット)」を装着して『弾薬(アモ【ammunition】)』が完成します)

この作品で使われている「アモ」ですが、冒頭のシーンで見る限り「38スーパー」だと思います。「38スーパー」は口径的には「9mm」なのですが、一般的に「9mm」と言われている「9mmパラベラム」より「火薬の容量」が多くなっている「アモ」です。(「9mmパラ」は[9mm×19]、「38スーパー」は[9mm×23]という様に「38スーパー」の方が薬莢長が長くなっています。因みに[×23]というのは一般的にガバメントで使われる「45口径(45ACP)」と同じ長さです。 元々のガバメントにも38スーパー仕様のモデルもあって昔からある「アモ」です)
Posted by lomo at 2006年05月31日 23:36
すいません追記です。冒頭のシーンにある様に、●「火薬」の量は「リロードマシン」がある事もあって「自由に調節」出来ます。

一般的には「火薬」をパンパンに詰めた状態を「ホットロード(強装弾)」、軽く詰めた(少なく詰めた)状態を「ライトロード(弱装弾)」と呼んでいます。(『ダーティハリー』の44マグナムは「ライトロード」という事です)

●「下腹部に装備するホルスター」については、この作品では一般的な「ホルスター」と違って「前面」に抜く事が出来るタイプの「ホルスター」=「コンペティション(競技用)・ホルスター」を使用しています。

●「ラストのスロー」に対しては培ってきた両者の「技」を見せるのが目的で、この作品には非常に大事なシーンであると私は思います。
Posted by lomo at 2006年05月31日 23:48
・・・消化出来まっせん。

火薬量の調節は可能ということでね。きっと初速を上げることと反動とのバランスなんでしょう。コルトに0.38インチがあることは、ちょっとだけ知ってました。ググれば、フランスでIPSCにチャレンジしている日本人のブログも見つけました。深いですね。
Posted by 森と海 at 2006年06月01日 21:50
こんばんは、いきなり長々とすいませんでした。
実は【lomo】名義の他に【スポーツ大佐】名義のHP&BLOGもあります・・・(『ワンナイト・イン・モンコック』の感想はそちらのBLOGに書いています)。

フランスでIPSCにチャレンジしている方のBLOG(iWeb)ですが、多分【スポーツ大佐】名義のHPでLINKしている方(Biogonさん)のBLOGだと思います。『ダブルタップ』ですが元々この方に薦められて観ました。では、これから宜しく御願い致します。
Posted by lomo at 2006年06月02日 19:39
すべてBINGO!
おっしゃるとおりでございます。いや、たぶんどっかで繋がってるだろうと思ってました(笑。
宜しくです。
Posted by 森と海 at 2006年06月02日 21:12
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