2011年04月13日

**自警団は日本にフィットするのか???〈狼よさらば〉**

ちょっと前のNEWポストセブンの記事。

岩手の自警団 バール振りまわす火事場泥棒をボコボコにする by NEWポストセブン

言ってもポストですから、真偽の程はなんとも言いがたく。しかしながらそれでも警察の目の届かなくなった被災地においては、自衛していかねばならないということも当然考えられる訳でして・・・。

この非常時とはいえ自警団がいわゆる過剰防衛を行使することの是が非を、この記事は扇情的に扱っているわけですが、そもそもこの日本で自警団というものが認知できるのかというフカーイ問題を孕んでいるわけでして。

中世の時代から町民農民の類は帯刀を許されず、徹底的に追い込まれる事態にならない限り(この場合は一揆になるんですが)お上に直訴するしかなかった訳です。最近、皇居のお堀で捕まった自称タクシー運転手さんが居ましたがこれが直訴でして、中世なら例え訴状が読まれようと読まれまいと死を持って決着を付けねばならない訳です。彼は捕まっただけで、命取られないで良かったですねw。庶民の場合は自分たちで何とかするなんて考えられない訳でして、そんなメンタリティーが生んだのが、金を積んで仕事人にお願いするという中村主水さんだったんです。今なら差し詰め警察とか警備会社に依頼という事になるのでしょう。

一方、自由の国アメさんとこは(ここで云う自由はフリーではなくリバティ)、その精神から自ら勝ち取るものという精神が未だに残ってまして、それが銃の所有許可というものです。あの国の人はそれを権利と云っています。建国の時点から、自警の精神が続いている訳です。それが野蛮とは一概には云えません。この辺が決定的に違います。

で、そういう風潮は映画にも現れていまして、ご存知のとおり〈バットマン・ビギンズ〉では(ティム・バートン版は彼の好みでフリークス愛に満ちた話になってしまいましてじぇんじぇん違う)、自警としてのバットマンの行動が犯罪なのか否かという側面で描かれました。やっぱりアメさんとこでも、それを全面的に受け入れて良いものなのかどうなのかという苦悩が感じられます。負の自警団としての話としては〈ウォッチメン〉の方が、よりダークな側面を描いているかもしてません。そんな小難しい今より、もっと単純明快にしてストレートな自警団ものが〈狼よさらば〉ですね(ようやく本題)。

都市開発の設計技師ポール・カージーさんは留守中、強盗に襲われ、妻は死亡し娘はショックで精神を病んでしまいます。この強盗どもというのがいわゆる今でいうストリート・ギャングでして、警察も挙げることができません。そんなこんなで、仕事で知り合った不動産屋から貰った38口径リボルバーを懐に忍ばせていたら、ギャングに遭遇。勢いで撃ってしまいまして、「なんてことをしてしまったんだぁぁ」と凹んでしまいます。

ですが、場をこなす内に、なんということでしょう!積極的に狩りに出かけるようになります。その後、その処遇に頭を抱えた警察との取引で、ニューヨークから離れ、シカゴに移るところで物語は終わります。(今気付いたんですが、武田鉄矢の〈刑事物語〉ってこのフォーマットを使ってますね)

ココでのカージーさんは最初こそビビリまくりですが、後半は嬉々としてギャング狩りを行なっています。警察がアパートを張っていても、そこから抜けだして狩りに出かけるほど狩りジャンキー状態です。今の世相では、かなり現実と乖離した(SFとかですね)世界にでもしなければ、到底受け入れられない単純な正義感です。

だが、そこがいい!

そう云わせるだけの単純な力強さがあります。なにせカージーさんの身の上に起こった不幸は、男には到底受け入れられませんから。その割に途中からすべてを忘れ去ったような清清した姿には、首を傾げざるを得ませんが・・・。

まあなんですか、ちょっと前のアメさんとこなら、こんな話でも強引に引っ張るだけの強さがまだ国に残ってたんでしょうねえ。再び振り返って我が国の自警団事情は、冒頭のリンク記事にある通り、「こまけぇこたぁいいんだよ!!」という訳にはいかず、その自警している方々が平時でも気性が荒いと言われている漁師さんということで、エスカレートすることが懸念されているようです。

個人的な意見ですが、(現行犯ですから)被疑者の人権を守るのも大事ですが、では被害者の財産・生命を誰が守ってくれるのという状況においては、抑止的な意味合いから、この記事の正確性までを含めて、GJと言わせていただきたい。

カージーさんなら、そう言うでしょうwww。



posted by 森と海 at 21:12 | Comment(3) | TrackBack(0) | Movie(米)
この記事へのコメント
しかし、今のアメリカでは、ほとんどのドラマで「カージーさん」は否定的に描かれておりますw。やっぱ銃ってシロモノがやばすぎるからでしょうね。
その点、この猟師さんたちは別にどうこう言う問題ではないと思うな。ぶっちゃけ、「気性が荒い」というかある程度暴力に慣れている人の方が、こういうとき自分たちへの抑止力もありますもん。怖いのはリーマンが切れたとき。

なお、農民階級の帯刀が禁じられたのは近世で、中世の農民はある程度は武装しておりました。近世でも刀が無いだけで、けっこう切ったはったはあったわけで、農民が「お上」に訴えるしかない可憐な存在ってのも、けっこうウソなのよん。えっへんw。

Posted by acoyo at 2011年04月14日 20:01
だからハリー・キャラハンあたりに委託するぽい(ペイルライダーとか)にして神の御使いでござるみたいな…(^^;
ただそれもご本尊が『許されざる者』でリセットした上に『グラントリノ』で止めを刺したし。
あ、自警団に関して言うと「ヒーローショー」みたくならなくなるといいよねってことくらいしか言えないっす。
Posted by tonbori at 2011年04月15日 01:09
>acoyoサマ
今だと否定的でしょうwww当たり前田のクラッカーですよ。自警主義自体、受け入れられるのは一部の田舎の州だけでしょうにw。リーマンがキレたときは手がつけられないのは同意。しかしながら、港は廃滅、船は無しという状態のストレスマックスな漁師には近づきたくありません。ウチの町にはいくつか漁師町がありますが、あの方々は別の町の漁師見つけて喧嘩するために歓楽街を彷徨いたりしちゃったりするもんで、怖さはじゅうじゅう・・・。
近世・・・ググリました。秀吉までが中世なんですね。正直そこいら辺の区別がつかなかったー。

>tonboriサマ
〈ヒーローショー〉って知らんかったんですけど、・・・性懲りも無くまた同じ様やのを井筒が撮っちゃったんですね(見ないけど)。セブンの記事ではギリギリセーフだったようです。
Posted by 森と海 at 2011年04月15日 21:04
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