2006年07月03日

**内容が無いだって、当たり前だろ!〈 ウルトラヴァイオレット 〉**

  近未来、アメリカ政府が開発したウィルスが漏れ、それに感染した人間は高い身体能力(と同時に12年の寿命も)を持つ超人間” ファージ”に変化していた。当初、感染者を隔離するのみに留まっていたが、その力を恐れた人間政府は彼らを抹殺し始める。 生き残ったファージは地下組織を結成し、政府との戦いを始めた。 ファージを滅ぼす最終兵器が開発されたという情報を入手した組織は一人の殺し屋を送り込む。かつて最愛の家族を政府に奪われ、 復讐に燃える最強の戦士「ヴァイオレット」だ。ヴァイオレットはその最終兵器の入ったトランクを盗み出すが……。

 監督は〈 リベリオン 〉のカート・ウィマー。スタッフには何気に中国系の名が並ぶ。そうそうスタジオ撮影は香港、 ロケは上海らしい。そして主演は”ヒトの範疇を微妙に越えているオブジェクト”ミラ・ジョヴォヴィッチ。 ボクの目には、彼女はエイリアンかアンドロイドに見えてしょうがない。

 

060622_02  オーブニングには、でっち上げの各国語版アメリカンコミックスが並ぶ。「なんだ、 アメコミの映画化か?」と思う向きもあろうが、注意して欲しい。あくまで、Write and Direct は Kurt Wimmer。ウィマーの原作であって、〈 Vフォー・ヴェンデッタ 〉とは違うのだ。

 始まると同時にナレーションオン。完結明瞭に背景が説明されると同時に、画面のほうは既にCG満載である。 どちらかに気を取られていると、導入部で躓く恐れが。贔屓目に見れば、そこだけは濃いのだが、ウィマーにしてみれば、 物語の設定なんてどうでもいいというのが正直なところだろう(笑。書き込みが甘いと(悪)評判のCGも、全くもってその通り、返す言葉もない。 細かく書き込んでいるのは、物語の核の部分のみ。周辺部に目を移すと、ゲーム画面かと疑うような適当なテクスチャの貼り込みだけ。 実写部分のセットも、周辺部は明らかに手を抜いていることから、単純に予算の問題か?それとも、 アメコミのイメージを具現化するための敢えてなのか?”次元圧縮テクノロジー”だの” 重力レベラー”だの謎の漫画テクノロジーを多用していることからも、 ウィマーは明らかにアメコミを作り出そうとしているので、一つの戦略ではあろう(〈 シンシティ 〉も動くアメコミ)。

Ultraviolet-still-002  文句を先に並べとこう、賞賛するアレは最後に(笑。ウィマーは、 新しい物語の創出には積極的では無い様で、どこかしら既視感漂う借りてきたような設定が目立つ。”ファージ” はなぜか皆犬歯が発達しているし、その犬歯が発達しているであろう女殺し屋は銃両手打ち。貴方はベッキンセールとは違うんだよ。研究所で育てられた子供の名前は「シックス」。ジャパニーズなボクらは、”シックス” を六男だなんて思わないんだ。「シックス」と呼ばれれば、六番目のチャイルド、もし「フォウ」と呼ばれれば4番目の強化人間(笑。 結果はリプリーなんだけど(笑。まあなんだかんだ言っても、物語の骨子は〈 リベリオン 〉 と大差はない、というかほぼ一緒なんで化粧を変えて皆様の前に現れましたよんというところだろう。もう一つ、 母性を持った殺し屋というのも〈 グロリア 〉を彷彿させるし、事実ヴァイオレットのシックスへの愛情がポイントになってる。 でも”ヒトの範疇を微妙に越えているオブジェクト”ミラ姐さんだよ、 優れた造顔作家のワンオフのように整った顔立ちのミラ姐さんは、表情筋があまり機能していないようで、叫ぶ・睨む・ 泣くといった単純な表情しか作れない。微妙な感情のユレを伝えるにはチト拙いので、肝心のポイントは空回り。

 しかしだな、そんなことを求めるのは筋違いってモノだ。偉大なる武術” ガン=カタ”の進化形を提示できるのはウィマーしか居ないのだ。良くぞここまで進化させてくれた。

 今回のミラ姐さんは、アクションにつぐアクション。次元圧縮テクノロジーのお陰で、銃は無尽蔵にあり、 マガジンチェンジするぐらいなら新しい銃をってことで残弾数など考えなくてもよいのだ。それがつまらなくなった原因とも思えるのだが。 むしろ注目すべきは、 前半部逃亡中銃を失ってしまいチャイニーズマフィアに取り囲まれてしまった時の体の捌き。かの 〈リベリオン 〉で”ガン=カタ”についてこう語られる。「近接レンジにおける銃撃戦において、 統計学的に導かれた最小限の動きで状況を優位に保つ」のが”ガン=カタ”であると。であるなら、銃を持たずに周囲を取り囲まれた状況で、 相手の気を読み、発射弾を避けつつ次の弾の軌跡をコントロールして同士討ちさせるべく体を捌き、周りの敵を殲滅するこの動きこそ” ガン=カタ”進化形である。周りを囲んで撃つっていうのは全くもって素人のやることなんだけど、相手はマフィアだ、 そういう訓練は受けとらんだろ。全然当たらないじゃないか!とうそ臭く思うなかれ、そもそも〈 リベリオン 〉 をうそ臭いと思ったり見たことないとする君ならば、〈 ウルトラヴァイオレット 〉を見るべきではないのだよ。って誰に言ってんだか? ちなみにボクはコレだけでも観た甲斐があったってもんだ。ソードアクション部分は、前回日本刀、今回は中国系のぶっとい剛の剣。 スタッフにも中国系が多いし、見た目を変えるうえでもそうするのがベストだったんでしょ。すでに日本刀ブームは去り、 イマの旬は中国型のデカイ剣の方がキテいるようなので。ちょっと大振りが目立っていたような気も・・・。

 以上、中身はもちろん無いけども、”ガン=カタ”進化形は観れますよ、ファン必見でありました。

 

posted by 森と海 at 00:01 | Comment(6) | TrackBack(4) | Movie(米)
この記事へのコメント
知り合いに内容を問われると「あってたまるか」と答えております。(笑)
ミラ嬢のビデオクリップ集ですからね。
Posted by samurai-kyousuke at 2006年07月03日 00:45
>samurai-kyousukeサマ
これほど、あらすじを語ることが無意味な映画もそうはありません。百篇聞くより一篇見るべしです。
そういって人に見せた結果は、「ナニコレ?ツマンネー。」に落ち着きそうで、非常にコワイ(笑。
Posted by 森と海 at 2006年07月03日 23:05
やっぱガンカタ好きとしてはねー絶対外せませんよコレは。
でも世の中のガンカタ好きには推すけれどパンピーの人にはねー(笑)
Posted by tonbori at 2006年07月04日 00:31
>tonboriサマ
普段は「ドラマが!」などと腐しているというのに、ガン=カタ一つでこれほどまでコロッと転ぶとは。
なんと情けないことだ、オレ(笑。
Posted by 森と海 at 2006年07月05日 00:08
遅ればせながらようやく観て来ました。
対チャイニーズマフィア戦、いざ動き出してからの体の捌きは素晴らしいんですが、その前に弾丸のスローを見せるのは・・・。あれをやっちゃうと一気にうそくさくなってしまうような。もちろん『リベリオン』のガン・カタがうそくさくないということを前提にしての話ですが。
あと、全体的に派手にしすぎているように感じました。
やっぱりカート・ウィマーは低予算を嘆いている方が似合っているような気がします(笑)
Posted by micchii at 2006年07月18日 13:44
>micchiiサマ
せっかくの連休を潰してお疲れ様です。有意義だったでしょ。
予算は前よりはありそうですが、そのほとんどが無駄なCGに費やされているようで、セットも〈 リベリオン 〉ぐらいちゃっちぃですよ。予算の大小に関わらずやってることはほぼ同じという「いつも心にジージャンを」野郎ですね、ウィマーも。
Posted by 森と海 at 2006年07月18日 21:25
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/20181767

「ウルトラヴァイオレット」
Excerpt: ミラ・ジョボビッチが好きなもので「ウルトラヴァイオレット」を強襲してまいりました。 ストーリー展開がヌルイ、そんなものはどうでもいいです。敵役が魅力無し、かまいません。子役が可愛く無い、しゃらく..
Weblog: samuraiの気になる映画
Tracked: 2006-07-03 00:47

ULTRAVIOLET、またの名をガン-カタ祭り
Excerpt: 観てきましたぞ、『ULTRAVIOLET』 『バイオハザード』でアクションをぶちかましたミラがあのガンカタの産みの親、『リベリオン』のカート・ウィマーで組んだ。 そうこの映画は正しく 『ガン-カタ..
Weblog: web-tonbori堂ブログ
Tracked: 2006-07-04 00:26

ウルトラ・ヴァイオレット
Excerpt: アクションゲームをプレイしているような錯覚を味わえる興奮の87分。
Weblog: Akira's VOICE
Tracked: 2006-07-13 17:50

ウルトラヴァイオレット
Excerpt: 製作年度 2006年 製作国 アメリカ 上映時間 94分(劇場公開版87分) 監督 カート・ウィマー 原作 − 脚本 カート・ウィマー 音楽 クラウス・バデルト 出..
Weblog: タクシードライバー耕作の映画鑑賞日誌
Tracked: 2007-01-03 07:42
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。