2006年07月07日

**黒社会第二弾〈 極道黒社会 RAINY DOG 〉**

 今日も明日も台湾は激しい雨だった。

 日本を追われた野良犬・優児(翔)は、台北で台湾マフィアの雇われ殺し屋となっていた。ある日、昔関係のあった台湾人女性に 「あなたの子よ」とチェンを押し付けられる。一方、とあるビルの屋上で、優児の殺害を誓う男がいた。 日本から優児を追って既に3年になる本阿弥(トモロヲ)である。対立組織のボスの暗殺を依頼された優児は、 売春宿を根城にして標的の動向を窺っていた。チェンも優児を追ってきたが優児はチェンに構うことはない。雨の続く日々、「雨の日は動かない」 ことを信条にしている優児は、数日の間、娼婦リリーと過ごす。リリーもまた雨を嫌い、雨の降らない町に逃げ出したがっていた。 ほどなくして陽の差した日、暗殺を成功させた優児は、彼の金を奪い、リリーとチェンを連れ町を逃げ出した。復讐を誓ったボスの弟が、 彼らの背後に迫っていた・・・。三池崇史監督作品。

 雨ってなんの隠喩なんじゃろ?

 全編台湾ロケ、日本人の役者はほぼ哀川翔と田口トモロヲだけ、作風とは一種異なるセンチメンタルな情感。

 〈 新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争 〉はその構造が、実は〈 デッド・オア・アライブ 〉そっくりなことに前回気づいた。 撮影順からいうと、その逆で〈 新宿〜 〉のエッセンスを持ち込んでラストをぶっ飛ばしたものが〈 DOA 〉なんだが。 その法則からすると、〈 極道〜 〉は〈 DOA2 〉や〈 DOA FINAL 〉と対比することが出来る。”全編台湾ロケ、 日本人の役者はほぼ哀川翔と田口トモロヲだけ”は〈 DOA FINAL 〉を彷彿するし、”作風とは一種異なるセンチメンタルな情感”は 〈 DOA2 〉だ(←だから逆だって時系列)。なにが言いたいのかって、〈 DOA 〉 シリーズが面白かったって人は絶対こっちも楽しめるのだ。ただしラストのサプライズはこっちには無い。その点はご注意を。

 さて印象的なのは、やむことは無いのではないかとさえ思われる激しい雨・雨・雨だ。往々にして雨とはドラマと情感を連れてくるが、 ここで最初に感じるのは疲労感。それが徒労感も加わり、チェンが登場してくると孤独感が浮かび上がり、リリーが登場するに至っては・・・。 止めとこう、これ以上は無粋ってもんだ(笑。黒澤明監督が各作品において重要なモチーフを水に託したという有名な話がある。〈 酔いどれ天使〉 のドブ池、〈 羅生門 〉の水煙舞う嵐、〈 生きる 〉のドブ沼などなど誰かが言ってたのを読んだ覚えがある。この作品は、黒澤監督ほどではない (ストレートすぎるという意味)が、三池監督が、湧き上がってくる負のものすべてを雨に託したのは間違いなかろう。 ロケ中に振られたって感じの雨ではない(雨係がホースを握ってそうな)場面も散見されるんだから。 ただし物事は正反対があってこそ引き立つもの、天晴れな晴天の場面が間に挿入されることによって、正の気分、穏やかな空気が流れ、 一層雨の憂鬱さが強調されていく。

 んで、いきなりラストの場面だが、さっさとネタばれすればしとしと降り。 主だった登場人物が一同に会するずぶ濡れ模様。これ以上、 詳しい話は止すがとある人物の最後の台詞だけ書いとく。

  俺が憎いか? 生き残るか 死ぬか それだけだ 
  目を背けるな 哀しみからも 怒りからも・・・ 
  強くなって俺を殺しに来い この街で待ってる
  ・・・・・・・・・
  明日 雨は上がるさ

 ぐっと奥歯を噛み締めるようなココまで、辿りつけっ!

 

posted by 森と海 at 01:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 三池崇史
この記事へのコメント
そういやブレードランナーもしとしと雨やったね。
べたやけど雨は洗い流すという効果もあるし。
色々含ませられるし。
映画もある意味水物っつうことで。
Posted by tonbori at 2006年07月12日 00:18
「雨よ、この街のゴミを洗い流してくれ」とトラヴィスさんも懇願しておいででした。しかしながら、ゴミを流すだけの力が、雨には無いことを知って、自らが街の掃除人「レレレのトラヴィス」に変貌したのです。
全く関係なかったけど・・・、これほど好きなのに何故一度もエントリーしてないのだろ?
Posted by 森と海 at 2006年07月13日 22:54
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/20388911
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。