2006年07月27日

**虚を突かれた感じ〈 マグマのごとく 〉**

 奥様の名前は敦子。そして旦那様の名前は満夫。極普通の二人は極普通に恋をして、極普通に結婚しました。でも唯一つ違っていたのは、 奥様は湯をこよなく愛していたのです。

 先日、エントリーを上げた〈 心中エレジー 〉 の亀井亨監督作品で、ズバリピンク。なんつったって主演女優はAV畑の黒沢愛だ。経過観察と言ったからには、 ちゃんと類型立てて見てみるという姿勢はなんともアカデミックじゃないか!(と、誰も誉めてくれないので自画自賛)ひょっとすると、 年長さんのお友達も読んでるかもしれないので、あらすじ等には触れず、ちょこっと思ったことなどを。興味ある御仁はHPは今だ現存するんで、 そこで読んでくだされ。

 

 作品の大半は銭湯でして(この夫婦が経営してますもんで)、 そんでもって黒沢愛のあられもない痴態のオンパレードで男のリビトー直撃でございます。ここの「フルモーション」レーベルと言うところは、 なんでも「夫婦の性に特化した」レーベルということらしく、「普通のピンクレーベルとは違うんじゃ」ということをアピールしておりますが、 中盤まで見ても何処といって他と違うようには見えません。

 が、とうとうラストまで来ると、俄然毛色が違ってきます。

 銭湯を閉鎖して、いろいろあった夫婦が2人して温泉旅行に向かいます。何回も乗り継ぎしていることから、 たぶん秘湯を目指しているのかと。電車を待っていると旦那が「駅弁を買ってくる」と連絡通路の階段を駆け下ります。 妻は電車を待ち続けています。程なくして買い物を済ませて、ホームに駆け上がってくる旦那。と、ホームの端で勢い余って転ぶ旦那。 電車がホームに入ってくる。散らばった小銭を慌てて拾っている旦那の手が躊躇したかのごとく止まります。ドアが開き妻が電車に乗り込みます。 一つ隣のドアから乗り込む旦那。と、そのとき旦那が泣きじゃくり始め、意を決したかのごとく駅弁をその場に置くと、電車を降ります。 ドアは閉まり電車は発車します。車内に立ち尽くした妻を乗せたまま。

 解釈は難しいのだが、旦那は妻を愛していたんでしょう。が、一緒に居られないことも判っていたのでしょう。 男泣きではなく子供のように泣きじゃくる旦那にやられました。妻は妻とて、旦那が自分を開放した証「下足箱の鍵」 を旅行鞄のポケットから見つけると、なんともいえない表情に変わってゆきます。欲言えば、黒沢愛さんがもうちょっと違う表情を持っていれば、 言い換えるなら、もう1・2枚ほど「表情」カードの手持ちがあれば、もっと面白い場面になったはず。

 いずれにせよ、〈 尻を撫で回しつづけた男 〉ぐらいラストでイメージの変わった作品。そして、主演女優さえちゃんとしていれば、 〈 心中エレジー 〉でボヤいたようなことはしない監督だということも判った。

 亀井亨監督、引き続き観察を続けていく。

 

posted by 森と海 at 00:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | Movie(邦)
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