2006年10月05日

**映画とは全く関係ないモノヅクリの話**

 今の国産車において、車好きであれば皆が注目せざるを得ない車がスズキのスイフトだろう。コンパクトな車体に普通のエンジン (しかし普通って言うのがミソ)という構成で、4輪ダブルウイッシュボーンなどという聞こえのいい単語も並ばない(ストラットにトーションビームでっせ) 。しかしながら、走らせて見れば、(試乗しかしてないからはっきりとはいえないが)ううん納得のハンドリングらしい。 欧州基準に達してるとかいないとか。そんなに欧州車に憧れているなら国産車をいじったりせずに、「サッサと買えばいいじゃない」 という930乗りの友人もいるが、アンタは住んでるとこ違うじゃん。ココでメンテナンスからなにから、 自前でやっていくにはハードルが高いって。と、面と向かってはいえないので、ココで言っとく。

 で、何かって最近そのスイフトのシャーシをベースにSX4なる車が出てきた。しかもFIATのセディチの兄弟車。正体を明かせば、 グリルとバンパーを剥がせば同じ車だという。俄然興味が湧くではないか。こうなったら、根堀葉堀調べちゃうよーん。

 

 スイフトとSX4、この両者には偶然にも1500ccの同じエンジンが積ませるグレードがある。同じエンジン(M15A) にして同じ出力で、車両重量はスイフト:1030kgでSX4:1190kg。その差なんと160kg、4ATのギア比も全く同一である。 「これは走らないね。」と思わせるに充分な差であった。しかしながら高名な自動車評論家の先生方は、「SX4はスイフトより最終減速比で7% ほどローギヤに振っているから出足も悪くない」とおっしゃる。なるほど諸元表を見ればスイフト:4.144、SX4:4.375である。 思わず納得してしまいそうになるが、ここでちょっとタイヤについて触れてみよう。

 タイヤについては両者には大きな隔たりがある。スイフト:185/60R15にして、SX4:205/60R16なのだ。 タイヤの表記(扁平率云々)については、タイヤメーカーさんのHPでも見てもらう事として、単純に両者のタイヤ一周の長さを計算すると、

 スイフト:185×0.6(タイヤのハイト)×2+15inch(ホイール)×25.4mm×π=1893mm

 SX4  :206×0.6(タイヤのハイト)×2+16inch(ホイール)×25.4mm×π=2047mm

 タイヤが一周するだけで約15cmも差が出てくる。ではエンジン回転数が例えば3000rpmで、トランスミッションが3速 (ちょうど変速比1)の時、一分間に何km進むのか計算してみよう。

 スイフト:3000÷1÷4.144×1893=1370415mm=1.370km(時速82.22km)

 SX4  :3000÷1÷4.375×2047=1403657mm=1.404km(時速84.22km)

 その差は約2.5%でしかないのだ。これは速度計の公差10%の範囲内。というか 「重い車体を動かすためにローギヤに振りました」というエクスキューズはガラガラと音を立てて崩れてゆく。実体は大きなタイヤを転がすためのトルクの捻出にほかならない。しかもそれは、既に完成している車種に合わせるという製品設計である。オートバイと軽自動車で培った部品共通化・標準化のノウハウを持つスズキの製品設計力をナメてもらっては困るのだ。 (といいつつ肝心のトルクに付いては検証が難しいので避けてみたりする。)

 はっきりしているのは両者の履いてるタイヤ(スイフト:ポテンザRE080、SX4:トランザER300)の違い。 スイフトはハイグリップ系、SX4はコンフォート系ということで、同じ土俵に立とうとしていないのは明白。ハンドリングを比較するのは有りだけどコーナーがどうのっていうのはお門違いだったりする。 高名な自動車評論家の先生方には、お仕着せのコメントばかりでなくこういう根本の部分を語って欲しいよね。たぶん気づいているはずなのに、 生来のスポーツマインド(攻め好き)がそうさせているのでしょうか?

 

posted by 森と海 at 23:11 | Comment(5) | TrackBack(0) | 番外編 車!!
この記事へのコメント
エライ先生たちはパンピーには解るまいとたかをくくっておられましてという事も出来るけど今現在そういう話のできる人って実は限られてます。
福野さんとか清水さんとか・・あともう一人くらいいるけど。一応基本的には皆さんスペック対比とかは出来るけどそれを理路整然として語れるのは一握り。さらに解りやすくとなるとこれはもう多分福野さんくらいじゃないかな。

あと結局タイヤもそうなんだけど結局身の丈にあえばストラットにトーションンビームでも素晴らしいパフォーマンスを味あわせてくれるんで最終的には尻にしっくりくるのが一番良いということで(^^)
Posted by tonbori at 2006年10月06日 00:36
以前、『4輪コイルリジット』というキーワードで車選びをした人(ボクっす)には、サスペンションなど何も解っていないので、今跳ねる車体に苦労してます。最近は足を捻らせることもあまりないし(笑。

タイヤは、ハイトの違いが結構乗り心地に影響するんでしょ。
Posted by 森と海 at 2006年10月06日 19:04
ハイトもトレッドも割りと影響するんでタイヤプロファイルは走る人はかなりこだわるっぽいです。
コンパウンドも重要だけどまずはサイズ。
で実際に走り出してそこにコンパウンドとまあそんな感じ。
でも基本的には指定サイズが一番グッドチョイス。
何故かって言うとそれに合わせてメーカーが調整しているから。
Posted by tonbori at 2006年10月06日 23:45
>でも基本的には指定サイズが一番グッドチョイス
メーカーもひところは見た目優先で、「ワンサイズ大きいんじゃない」ぐらいのタイヤ履かせていた時代もあったようですが(国産系)。
それにしても、メーカーってOEMで納入するからと、リプレイスに無いサイズを作らせるのは、ゴーインだよなあ。トランザに上のサイズは無いのだから。
Posted by 森と海 at 2006年10月09日 22:53
なんで実はタイヤメーカー恐るべしという(^^;
設計の無理をタイヤで吸収とか結構よくやっていると思うよ。
Posted by tonbori at 2006年10月11日 00:05
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