2007年02月19日

**異界への招待状〈 サイレントヒル 〉**

 えー、最近更新が滞っておりますが、DVDはちょこっとは見ております。古いのやら、大昔のやら、白黒やら。 いえいえ最近の作品も少しは見てますよ(笑。

 しかーし、ココに持ってくるほどの物に巡り会っていないのです。三行で終わりそうなネタはたくさんあるんだけどねーっ。 いずれ膨らまして、晴れてココに錦を飾ろうかと密かに計画中。

 そんな中、コナミのゲームの映画化〈 サイレントヒル 〉に出くわす。とっくの昔にゲームを止めてしまった (只でさえ時間無いのにゲームやってたら何も出来ない)ボクには、予備知識は「娘を追って母は霧の街に迷い込む」しかない。はてさて、 どんな具合なんだろう・・・フフフ。

 

 最初に言っとくけど、ホラーの概念が観客を怖がらせるというものであるとするならば、コレはホラーではない。 ホラー映画というよりは幻想映画だ。もちろん幻想映画というジャンルがあるのかどうかは知らないが。あえて近いものを挙げるとするならば、 〈 スリーピー・ホロウ 〉あたりか?もしくは異界からの影響という意味では〈 エミリー・ローズ 〉もニュアンスが近いかも?あっ、 実話でしたね〈 エミリー・ローズ 〉は。

 無論、霧のかかったような灰の降る街『サイレントヒル』に迷い込んだローズ(ラダ・ミッチェル) にふりかかる様々な異変は雰囲気満点。サイレンと共に訪れる闇の侵食の情景変貌もおどろおどろしくてそそる。が、 ローズの遥か後方のモヤモヤした陰に異形の者が浮かび上がってくるのではないかという中田秀夫症候群に悩ませられながらも、 角を曲がったとたんに大音響と共にクリーチャー出現というハリウッド式ホラー手引書をついめくりそうになりながらも、 そんな手垢の付いた演出は一切無し。30分も観ていれば、製作者にそんな姑息な意図などまったく無いことに気付かされる。 「なんだか志が違うぞ。誰だディレクターは?」と確認してみれば、あの最強のオタク監督クリストフ・ガンズだ。〈 クライング・フーマン 〉 を、〈 ジェボーダンの獣 〉をモノにした(モノになっていたかどうかはさておき)フランス映画界のアキバ系監督クリストフ・ ガンズだったのだ。ま、フランス人監督は、ジャンルは違えど皆その道のオタクだけどね。

 物語は、『サイレントヒル』で娘シャロン(ジョデル・フェルランド)を探すローズと、ローズとシャロンを追って「サイレントヒル」 にやって来た夫クリストファー(ショーン・ビーン)を交互に映し出す。白く煤けた『サイレントヒル』 とガスが充満しているらしい黄昏でオレンジに染まった「サイレントヒル」は、同じ場所であるはずなのに同じ場所ではない。 現実の世界と煉獄は重なりあっている、平たく言えば、〈 コンスタンティン 〉と一緒でございますな。

 ボクは(たぶん)前にも言ったように、この世とあの世は場所を同じくして空間が異なっている派でありまして、 我々が住むこの世界のすぐ隣りに異形の者が住む世界があり、それぞれの世界において一定以上の能力の持たぬ者には、 隣りの世界を感知することが出来ないと。この世界で言えば、一定以上の力を持つ人で有名なのが宜保愛子さんであり、 映画で有名になったのがハーレイ・ジョエル・オスメントくん、何かが見える系の方々でありますな。一方、 アッチの世界からコッチの世界に影響を及ぼしつづけるのが、GODとかDEVILと呼ばれる方々、 アッチの世界からの影響で変貌したコッチの世界の方々を鬼・吸血鬼・狼男などと勝手に妄想してます〈笑。

 大体、ボクらの認知能力なんてたかが知れてる。見て触れられるから存在しているなどということが、いかにいい加減なものか。 そんなものは電気信号でどうにでも改竄できるということを知らしめてくれた〈 マトリックス 〉があるじゃないか。 こんなこと言っていると単なるオカルト好きにしか見えないだろうから、違うアプローチから科学的に推理してみれば、 そのうち異界を見る能力を司る遺伝子が解析されて亡くなったオジーチャンを見ることの出来る錠剤(遺伝子治療かな)とか出来るようになるよ、 きっと。科学的アプローチで火の玉をプラズマと解析している大槻教授も、 空気中の電子が云々などと限定せずに異界のエネルギーのコノ世界への発露ぐらい柔らかな発想が出来たら面白いのに・・・。全く関係ない(笑。 で、そんなボクには、全く持ってピッタンコなこの映画、傑作と言わずしてなんと呼ぶ(爆。

 ラストの解釈については諸説あるが、ローズの言う「子供にとって母は神と同じ」・婦警シビル(ローリー・ホールデン)の「ママーっ、 一緒にいて」こそがそのものズバリのキーワードではないのかな?

〈 余録 〉キリスト教をバックボーンとするこの手の映画では、鉄条網(有刺鉄線)による肉体損壊が都度行なわれる。 思い出すだけでも〈 エミリー・ローズ 〉のエミリーは有刺鉄線を強く握ってすべてを理解するし、〈 イベント・ホライゾン 〉号が混沌 (カオス)に旅したとき乗組員が受ける地獄絵図さながらの受難に有刺鉄線は必須。やはりイバラがモチーフなんだろうねー。

 

posted by 森と海 at 23:17 | Comment(2) | TrackBack(0) | Movie(米)
この記事へのコメント
おひさ。
これね、これね、実んとこね、ゲームにはまった人間にとっちゃ無条件におっけーな作品で(爆)、も、エントリタイトル見た瞬間から、どきどきどきどき……森と海さん鋭いしな……どきどきどきだったんですが、
「喜んでいただけてえがったー」
というその一点に尽きる、という(爆)。

まあね、あれ元のゲームのヴィジュアルデザイナーの坪山さんってのが偉くって、それを「あくまでもその世界の忠実再現」「一つ一つお伺いたてて作った」というガンフの腰の低さも好ましいという(藁)。
Posted by acoyo at 2007年02月20日 17:08
>aco yoサマ
ほんとに予想もせずエがった。単なるホラーかと思ったら掘り出し物でした。ラストが云々とか、整合性が無いとか云われそうな話なんだけど、幻想って云う言葉ですべて丸く収まるみたいな。
Posted by 森と海 at 2007年02月25日 22:43
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