2007年04月07日

**予測不可能なジェットコースタームービー 〈 ゆれる 〉**

 公開当時ちょっと引っ掛かっていたんですが、残念ながら劇場では観ることは叶わなかった映画でした。〈 ゆれる 〉。

 その後、ネットでの大多数の賛辞と極少数の批判的意見を見るにつけ(それでも取り上げられるんだから成功でしょ)、 「コレは見なければ」と思っておりましたが、漸くのこと観ましたよ。

 

写真家の猛は、母の一周忌で帰郷した。 父と折り合いの悪い彼だが、温和な兄・稔とは良好な関係を保っている。翌日、猛は稔、 そして幼馴染の智恵子と渓谷へと向かった。智恵子が見せる「一緒に東京へ行きたい」 という態度をはぐらかして、一人で自然へカメラを向ける猛。そんな彼がふと吊橋を見上げた時、 橋の上にもめている様子の稔と智恵子がいた。そして次の瞬間、 そこには谷底へ落ちた智恵子に混乱する稔の姿だけがあった…。ゆれる - goo 映画

 はっは〜ん、なるほど。これは賛否両論分かれるはずだ。いや確かに、(登場人物の)感情が揺れに揺れて重厚な話にはなってます。 重いと感じられるぐらい。中でも、香川照之氏の演技なんて、怖すぎるぐらい偏執的。佐野史郎かよ!ってツッコミ入れたいくらい(笑。

 確かに賛辞するべき部分もある。コレだけ細やかに人物の感情の揺れを丹念に拾っていくものもそうはない。 ネタバレすると後半は法廷劇にシフトするんだが、なにが真実でなにが個々が守ろうとするものかが、複雑に絡んで見ごたえがある。

 でもね、人物の感情がゆれるどころか支離滅裂ですから!(波田陽区風って古っ) 一貫したパーソナリティがないのよね。だからまるで香川照之氏演じる稔は、多重人格者にしか見えないわけで。オダギリジョー演じる弟の猛も、 要領がいいんだか悪いんだか、頭切れるんだかアホなのか、一向に分からん。だもんで、(観た人の想像に任せるという) 勿体つけたラストも全く予想がつかないんだなコレが。

 ドラマとして面白くしようと、感情を揺らしまくってたら振り幅が大きくなりすぎちゃった感があります。 もう収拾がつかないくらい大揺れ状態。前述のラストについても、ここまで好き勝手にホン書かれちゃ予測しようがない。 というか書けなかったんじゃないかな。下手な落とし方しちゃ陳腐だもん。

 しかしね、言ってる通り見ごたえは歴然としてある。長編2作目にしてこの力量は恐るべし。脚本も手がけた西川美和監督は 今後注目ですぞ。(ちょっとテレビっぽいけど)

 

posted by 森と海 at 22:49 | Comment(2) | TrackBack(0) | Movie(邦)
この記事へのコメント
これってもしかして、登場人物がゆれてるように見えて
観客を大揺れにゆらしてるの?という気もいたしました。
「ホラー映画だった」と言う人もいれば、
「兄弟愛に泣いた優しい映画」と言う人もいて、
人によって印象がまったく違う...。私はどんよりした気持ちに
なりました。
Posted by rivarisaia at 2007年04月08日 01:46
>rivarisaiaサマ 観客を大揺れにゆらしてるの?
そういう切り口も頭には浮かびましたが、以前も使った手なので止めました(笑。その代わりにジェットコースター。
この監督さん、面白さは判っているみたいですけどバランスとか整合性はまだまだではないのかと。何せナタの出何処が夢らしいので、いかに仕立てるかというチマチマとした修正が必要なようです。
Posted by 森と海 at 2007年04月09日 21:49
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