2007年04月30日

**現実のニューヨーク 〈 インサイドマン 〉**

 ほぼ1年遅れで、ようやく観ました〈 インサイドマン 〉。正直、劇場で見逃したのは大失敗。そう言いきれるだけの映画でした。

チャイヤ・チャイヤ・チャイヤー♪

 

  人種のるつぼNYを舞台(というかウォール街限定)としたこの作品、スパイク・リーらしく、出てくる人々は人種も多用。 アフリカ系アメリカ人などはもう普通、ユダヤ人のラビだってハリウッド産では当たり前、 切れ者のゲルマン系の弁護士など吐いて捨てるほど出てくるのだが・・・。

 驚くなかれ!本作ではかなりレアな移民の二世が登場する。それはアルバニア系アメリカ人。警察側は、 篭城した銀行強盗犯に食料を差し入れるが、現場叩き上げのフレイジャー捜査官(デンゼル・ワシントン)はそつがない。 ちゃっかり盗聴器を仕掛けて、内部の状況を掴もうとする。そのマイクの拾った話声というのが、 NYのデカであっても聞きなれない言語であった。外部スピーカーに切り替えて野次馬たちに、「誰かコレが何語か分かる者は居ないか!」 と問うフレイジャー。と、「アルバニア語だ!別れたカミさんの親が話してた。間違いない」と工事の兄チャン。 アルバニア大使館に通訳を要請するNY市警であったが、大使館側は見返りを要求する(ギャグかぁ?)。しょうがないので、 先ほどの兄チャンの元妻を呼び出すことに・・・。現れた元妻マリーチアは、紙袋一杯の駐車違反の督促状をフレイジャーに手渡す。つまりは 「協力するからチャラにしろ(ここでも見返り)」ということ。アルバニア人・ユダヤ人は商売上手というのは、 かなりベタなステレオタイプなんですけど・・・。マリーチアはスピーカーから流れる声を聞いて笑い出す。 「ナニを言ってるのか分かるし、誰が喋っているのかも分かるわ」。声の主は、 終戦後から80年代まで独自の共産主義鎖国政策でヨーロッパの最貧国にアルバニアを陥れたエンヴェル・ホッジャ大統領その人であり、 内容は共産主義サイコー!というもの。資本主義の宮殿とも言うべきウォール街の銀行に響きわたる演説が、 スターリン主義の栄光を称えるものというのは、なんかの悪い冗談ですか(笑。

 観る側の知の幅を計るようなジョーク炸裂なんですが、正直ね、ボクも分からなかった。後で調べたらまあ、 このシークエンスだけでもかなりのもの。知的水準の高いアメリカ人から見たら、 コレはクライムサスペンスなどではなくて知的コメディなのかも?

 話は変わりますが、コレ、スパイク・リーが監督に専念している為か、映像もスタイリッシュ。 OPのNYの街の切り取り方はスチルのカメラマンかと思うほどだし、銀行に集まってくる警察車両を俯瞰で仰視で捉える映像も見事。 撮影監督のマシュー・リバティークってやるなあと思ったら、なんだ〈 π 〉〈 レクイエム・フォー・ドリームズ 〉〈 フォーン・ブース〉 もこの人ではないの。キレキレの撮影にも思わず納得。でもね、カメラとデンゼルを台に乗っけてギューンと引っ張るのはどうかと思うよ、 ぶっちゃけ(笑。

 

posted by 森と海 at 21:02 | Comment(3) | TrackBack(0) | Movie(米)
この記事へのコメント
このネタを(アルバニア関係)を仕込んだのが脚本家なのかスパイク・リーなのかはおいらスパイク作品がコレが初めてなんで解んないんだけどちょっとやり過ぎ感が漂っていたかなあと(^^;けど並みの人には真似できない技(ベイとかには難しいと思う)やなと。
Posted by tonbori at 2007年05月01日 23:37
ううむ、期待することなどとっくに忘れた(爆)、スパイク・リー、ひさしぶりのあたりかしらん。
政治やってる以外んとこじゃ、あの人、実はキレがよくて好きなんだがなあ。
Posted by acoyo at 2007年05月02日 19:21
>tonboriサマ
いやいや、仕込んだのはホンの方でしょう。スパイク・リーは身の丈に合わない話をぶち上げるほど不遜ではないもの。アルバニアは意外と役者ユニオンではマイナーではなかったりして・・・。

>acoサマ
スパイク・リーっぽさは、適度に消えて、程よいコメディでありました。似がーとはワザと呼ばず、アフリカ系アメリカ人と呼ぶメンタリティは、監督の意図する部分かも知れません。
Posted by 森と海 at 2007年05月02日 20:03
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