2004年11月27日

**BULLET BALLET**

 勝手にテーマを決めてここまできた”足元を見直そう邦画キャンペーン”もとりあえず今日が一端区切り。最終の美は、塚本晋也監督の 「BULLET BALLET」なのだ。

 ボク、改めて言うよ。日本人でよかった!海外の映画通に、「オレは、塚本晋也と同じ日本人だっ!」って、言えるもの(いや、 言う機会なんてないのですけど・・・)。

 それくらい言うことがない。よって今日は終了。

 

 

 という訳にも、いかないので、もうちょっとだけ書こうか。

bulbal  あらすじは、Goo映画でも読んでくだされ。
 でも、こと塚本作品に関しては、筋を追えば分かるような話じゃない。Goo映画のあらすじ、きっちりラストシーンまで書いてある周到さ。 恐れ入る。筋だけ読むと、まあなんとつまんない話なのだ。

 で、実際に見てみると、これが違うのですよ。ガツンと頭殴られたような衝撃。例によってモノクロの画面なのですが、時にやさしく、 その全編が荒々しい。

 十年来の彼女に自室で拳銃自殺された合田は、精神のバランスを崩し(塚本作の定番!)、「死」と「拳銃」に異常に執着していく。で、 自分も拳銃によってケリをつけようと、拳銃入手に必死になるのだが、そのヴィジョンたるやほとんど狂人の幻視。 そんなもの これでもか これでもか と見せ付けられるとうんざりするはずなのだが、そこはマジック。 アロノフスキーのモンタージュなんとかのように短く積み重ねられて、しかも激しい音楽まで添えているため、恍惚さえ感じる。危ない危ない。

 一方、ストリートギャングどもは、さすがはお子ちゃま。後先考えずにGo To Hellな荒れた暴力の日々。 なかでも死に魅せられているのがギャング中唯一の女、千里。こんな生き急いでいる(つもり)のガキどもと、死にたいが自分じゃ死ねない男が、 ある事件をきっかけに共闘する。ヤクザ相手に。

 このヤクザ(闇市時代からの筋金いりの武闘派、井川比佐志さんが演じてます)が、異常に怖く異常にカッコいい。 ストリートギャングの立てこもるアジトに、ガバメント片手に一人で出向き、一人また一人とバレットを叩き込む。 合田も撃たれながらも応戦するが、もう一歩のところで玉切れに。ヤクザ(合田に撃たれてます)のほうも玉切れになるが、このヤクザ (撃たれてます)、意思が折れない。ガバの銃身を握ってタコ殴りにかかります。しつこいようですが、両腕撃たれた体でタコ殴り。こわいよう。

 一夜明けて、生き残った合田とギャングの女千里は、「じゃあ」の言葉を交わして互いに別々の方向に歩き出す。 その歩みは段々早足になり、ついには全力疾走に。

 生き急いでいた女と死にたがっていた男が、恐怖の一夜を経て、自らの生を確かめるかのように、息も切れ切れに走る。走る。走る。

 これは生の爆発だ。

 

 というような話なんですがわかります?ボクの貧弱な表現力では、その10分の1も伝えられません。やっぱりすごいものは語れない。 やめときゃよかった。

 なお本作は、刺激物ですので取り扱いには充分注意が必要です。
 

 
posted by 森と海 at 23:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | Movie(邦)
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