2004年12月30日

**A HERO NEVER DIES ―眞心英雄―**

 軍事政権下のタイの利権をめぐって反目し続ける暗黒街の2大組織は、 それぞれヒットマンを雇って互いのボスの首を狙う。クールで凄腕のジャックと豪放でタフなチャウである。 ある日ジャックはチャウ行きつけのバーに呼び出され、 そこでチャウと"プロの腕"と"所蔵ワイン"と"恋人"を競い合うが、 決着がつかないまま2人の名前を記したワインボトルがキープされる。敵対する立場ながらも、 2人の間に奇妙な絆が生まれていたのだ。 しかし激化する抗争でジャックは瀕死の状態に、チャウもまた両足切断の悲運に見舞われる。その後組織は和解し、 お荷物になったチャウとジャックを過酷な運命が襲う…。                               NTT-X Storeより抜粋

 ダーク・トリロジー第3作、「A HERO NEVER DIES ―眞心英雄―」

 振り返って見ると、今年の後半は、トゥ監督一色に染まった期間だった。この半年で何本の作品を観たことか。それまでは、 「香港映画って、カンフーとコメディと黒社会だけだろ!」とタカをくくって、ろくすっぽ観てなかったし、調べてもいなかった (今になってみると、「香港映画って・・・」はあながち間違いではない(笑)。もちろん都市部に住んでいないため、 見る機会も少なかったという事実もある。じゃあ神奈川在住時に観てたかっていうと、その頃も観てはいないのだが。それがとあるきっかけで、 未公開作を手に入れ、過去作にまで遡って観たおした半年だった。

 そんな年の締めくくりには、「A HERO NEVER DIES ―眞心英雄―」を取り上げよう。
 なんといっても、やっぱりこれだろう。日本でも公開済みだし、DVDも発売されている。1998年当時、ボクは何を見ていたのだろう。 「菊次郎の夏」や「HANA-BI」の頃だ。何で北野武の作品を上げるかというと、この「A HERO・・・」 の撃ち合いを見ていると自然と思い出してしまうのだ。

 互いに向かい合い、何の遮蔽物もない剥き出しの体で撃つ。自分の身を守ろうとはしない、死が確実に迫ってくるガンファイトを。

 陳腐な使い古された言葉を使うなら、死に様の美学・男の映画とか言うのだろう。それほどまでに、ありえねー様式美の世界なのだ。 いや、好きなんですけどね。しかもダーク・トリロジーといわれるがごとく、本作では主要な登場人物はみな死ぬ。女とて例外ではない。 それほど徹底した死の映画が、なぜボクに響くのか?男の憧れるとんがった部分をきっちり描いて、「ほんとにこうはなりたくないけど、 でもカッコいい。憧れるぜ!」という気持ちにさせてくれるのだ。台詞も少ないのでなおいっそうだ。

 劇中、ジャズアレンジの”SUKIYAKI"が流れる。もの悲しく、美しい旋律。死に向かっていく主人公たちをサポートしている。 坂本九氏を知る我々には、映画とは別の感情さえ感じさせる。
 ジョニー・トゥは、多分、日本贔屓で、かなり日本の映画・ドラマを研究している。ボクらが、観ないで、誰が見るっていうんだ (香港人だというツッコミはなしの方向で)。

 という訳で、来年2005年には「Election―黒社会―」がアップするだろうし、まだまだ目を離せません。

 

 
posted by 森と海 at 21:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | Johnnie To
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