2005年05月06日

**「オーディション」**

 今日は、何がこの映画をこんなに怖くしているのか考察しちゃおう。あらすじは解禁してもいいと思う。 例によって結末まで書かれたgoo映画を読んで頂戴。 ボクも先に読んだけど、始まったらそんなの忘れて引きずり込まれたから。ただしgooの解釈とボクの解釈は若干違う。

 すでにお気づきのように、この映画のキモは、ラスト30分に及ぶめくるめくもとい禍禍しいショットの積み重ねだ。gooではここを” 現実か幻覚か判断のつかぬ世界の中で”と表現しているが、ボクは時間軸進行以外の部分は妄想と判断した。 もちろん石橋凌扮する青山が事前に知りえたであろう情報が元になった妄想という意味で。 椎名英姫扮する麻美の正体を観客に説明する意味もあると思う。時間軸が前後したりグチャグチャになるのは、もうみんな大丈夫なのさ。 終局無間を観ちゃったんだから~。

 じゃ、この怖さのポイントを上げていこう。

1.麻美が、華奢な体つきで可愛らしい声の持ち主であること。andおとなしそう。
 とてもとてもあのような凶行に及ぶようには見えない。ステロタイプだとは分かっているが、華奢な子はおとなしく、 ボンギュボンな女の子は主張が強く見える。ハリウッドでもあるだろ、ブロンドは身持ちが悪く、ブルネットはおとなしく亭主の帰りを待つって。 だから、「シザーハンズ」のウィノナ・ライダーは髪を黒く染めてでていたし、「トータル・リコール」のシャロン・ ストーンはそのままブロンドだった。ウィノナはもうバレちゃったけど。ともかく、お約束通りイメージを裏切ってくれたんだが、 最初からコワレそうでもあった。

2.ある程度年を重ねた男性、普段はもう性欲など無いかのごとく振舞っているような男性でも、その実、 仕事関係の知り合いやちょっとした知り合いの女性であっても、事によっては妄想の中では裸にひん剥いていることを暴露している。これは、 自分自身分かっていても改めて突きつけられるとヤダ。醜悪なもの見せられたようで、身の置き場に困る。

3.凶行にいたる麻美の身支度が素晴らしい。黒の皮手に黒の皮かゴムの前掛け。
 見るからにブッチャー!その身支度をドアの隙間から青山が見るという構図もなにかを予感させていい。小道具も、 医療用具を思わせるケースから披露されていて、こういう細かい積み重ねがリアルを連れて来てくれる。

4.その凶行であるが、序盤はイタイと思いながらも、SM的倒錯性愛を感じさせること。
 「うわ、やだ」と思いながらもエロティックっていうのは、ビザールな愛の形としては順当かと。あと、 針を突き刺すとか突き通すっていうのは、洋の東西を問わず、実感できうる痛みとしては一番だろう。刺す場所が場所だけに・・・。

5.その先のゴアシーンであるが(もちろん作り物)、斧やチェーンソーのようなありがちでありえないものを使わず、 ありえないが納得の変な道具によって執り行われること。
 これはネタバレできない。この道具の名前も知らないけど・・・。

6.手法として、ラスト30分間がクラクラするような悪夢であり、終わるまで続くため、 見ている側は終わったあとも反芻しつづけねばならないこと。救いが無い。

 まとめると、女性には単に気色の悪いもので終わるかも知れないが、男性にはゴアシーン200%増しの「殺し屋1」 よりこっちの方がイタク・気持ち悪い。扱っている題材がそのままオーディションで女探しなんで、業界の方々には寝覚めも悪かろう(笑。 だれも積極的にパブリシティ展開しなかったんじゃないだろうか?

 ―余談―
 石橋凌氏におかれては、役者開眼のきっかけになった故松田勇作氏の奥様・松田美由紀さんとの夫婦役であり、 忘れられない作品になったことだろう。
 椎名英姫さん、その後の活躍はどちらかというとアーティスティックなものが多い。フィルモグラフィーから外したいのかもしれん?


最後に見目麗しい英姫さんのお姿を。

orde

 

posted by 森と海 at 23:06 | Comment(0) | TrackBack(2) | 三池崇史
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