2005年05月31日

**美しい夜、残酷な朝**

THREE  ピーター・チャンプロデュースの下、アジアの気鋭監督3人(日本から「着信アリ」の三池崇史監督、 香港から「ハリウッド★ホンコン」の陳果(フルーツ・チャン)監督、そして韓国から「オールド・ボーイ」のパク・ チャヌク監督が参加)を集めて制作されたオムニバスホラー「三更」の第2弾。

 ただいま、東京で単館ロードショー中の本作ではあるが、決して地面の揺れとともに我が田舎にまで届いた訳ではない。 ただただ一個人としてカルチャー・デバイドと格闘しているだけである。簡単に言えば、輸入盤を手にしただけ。したがって、三池崇史監督の 〈BOX〉以外は、言葉の壁にぶつかって、解析が進んでいない。詳細はわからんぞなもし。

 分かることだけ先に書こう。
 第1話三池監督の 「盒葬 (Box)」は、まあいつものように、虚構と現実が折り重なって恐怖を発酵させてゆくというジャパニーズ・ ホラーの典型とでも言うべきもの。幻想と実生活のニッチに魔空間が出現し、そこにあるべきはずのないものが姿を表す、 という中田秀夫監督が長いことかけて定着させた技法が冴えている。やっぱりこの技法がジャパニーズのボクには、一番コタえる。
 ただ、三池監督のいつもの感じと違って、ちょっとだけ乱歩が入っていたのは意外だった。『じゃあおまえ、乱歩を説明しろ』ったって、 そんなの出来ません。あくまでも感じ。詳しくねーもん。
 海外の客の目に触れるであろうと思われるこの企画に、乱歩の香りを持ち込むというのは、三池流ジャパネスクなのか?

 あとの2つ、第2話フルーツ・チャンの 「餃子 (Dumplings)」と第3話パク・チャヌクの「割愛 (Cut)」 については、大筋は分かったような気がするが、詳細については現在誠意解析中。

 で、分かった振りしていうが、3カ国の3人の監督それぞれが、違ったホラーを目指していて面白い。
 前にも述べた通り、日本人の三池崇史は虚構と現実の狭間という”現象”を、中国人のフルーツ・チャンは生理的嫌悪を、韓国人のパク・ チャヌクは直接的暴力と壊れる自我を恐怖の対象にしている。日本以外は、これをもたらす”人”が怖いのである。 とりもなおさず日中韓の人々にとって、怖さの本質が異なっているということなのだろう。それが面白い。

 言い換えると、反日デモで「日本鬼子!」と叫んでいるおじさんは、日本人という人間が憎いし、それを見た日本人は、 個々はいい人たちなんだけどデモという”現象”となると嫌いという感情をもつ。それぞれに感じ方が違いますなあ。

 とりあえず、「アジアは一つ」というプロパガンダは壮大な幻想だったようで・・・。

 
posted by 森と海 at 23:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | Movie(他)
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