2007年09月21日

**ビッグガイはなぜ肉襦袢を纏わねばならなかったのか。〈 マッスルモンク 〉**

 最近、というかちょっと前に閃いたのでメモ代わりに。

 

 アンディ・ラウさんといえば、香港でも有数の役者バカでもあります。デ・ニーロまでとはいかなくても、 武僧の役ともなれば万全のトレーニングをしいて体を造って来るはず。 もちろんモンゴロイドがコーカソイドのような筋肉のバケモノ状態に肉体を作り変えるには、そうとうの時間が必要ですから、 モンゴロイドなりの筋肉の付き方でしょう。

 が!

 ハリウッド謹製マッスルスーツが現場に用意されていました。監督との付き合いも初めてではなく(前にもデブメイクもしたし)、 その上ノリの良さそうなラウさんは、面白がったことでしょう(想像ですが)。

 もうちゃっちゃと言っちゃいましょう。すべてはラストのため。

 山に篭ったビッグガイは、己の中の悪魔と天使の戦いよろしく、許すべしとする自分と復讐すべしとする自分で問答を行います。 長い問答の末、結論の出たビックガイは山を降りてくる。と、その姿はビッグとは思えぬほどの痩身具合。かといって、 悟りを開いて上位に移行した高僧といった風情ではありません。山下りてすぐタバコ欲しがったりしますしね。

 ここの部分は山に居た年月を物語るだけのものではないのですね。武僧にとっての武力装備『筋肉』 を解除したという意味合いが強いのではないでしょうか。

 つまり、「復讐よりも許しを」、そしてその先にあるのは、「必要以上の武装は解除していきましょうや」というメッセージなんですね。 これは驚いた。返還されてメインランドのトップもチェック入れたはずなのに、よく許されました。手の符牒がダメだったり〈 黒社会 〉、 最後に悪党が生き残るのを嫌ったり〈 SPL 〉、と結構厳しく検閲している当局が、軍縮にまで踏み込んでるこれをノーマークとは。

 そういう訳で、柄に似合わず意外とポリティカルなのでした〈 マッスルモンク 〉。スゲーッ。

DVD396-0

 

posted by 森と海 at 23:16 | Comment(5) | TrackBack(0) | Johnnie To
この記事へのコメント
武力の象徴であるマッスルスーツがハリウッド=アメリカ製であるというのも、意味深。
Posted by cardhu at 2007年09月22日 13:20
筋肉装甲、キャストオフ!ってやってくれたらまた別の映画になったなと、いやそれだけです(苦笑)
(ネタは某ライダーか○と)
ちなみに某漫画では最大の『武』とはそれを捨て去るところからはじまるともいってたなあと。
Posted by tonbori at 2007年09月23日 15:00
>cardhuサマ
ということは、ということは、コレは日本に向けてのメッセージだったのかっ!父さんて日本贔屓とばっかり思っていたのに〜。

>tonbori 最大の『武』とはそれを捨て去るところからはじまる
侍やなああ。で、それなんて漫画?
Posted by 森と海 at 2007年09月23日 20:34
・・・というかアメリカ向け?
ちなみにあのマッスルスーツが不自然で笑えてしまう、という否定的な感想もあるようですが、それはむしろ「必要以上の武力」の滑稽さを表現していると肯定的にとらえるべきではないか、と、笑。

ヒロインのカルマをああいうものにしたことで、当局は「いいね〜」とか思ってOK出したのかもしれません、笑。映画としてはそういう過去(があったとして)も許しなさい、というメッセージだと思うんですが・・・やっぱり日本贔屓ですね。
Posted by cardhu at 2007年09月23日 21:14
マッスルスーツの出来を想像するに、香港製・日本製・米製と並んでいたら、ボクでも多少のコスト高があっても、米製を選んじゃうと思います。出来具合で笑わせるのは、本来の趣旨から外れそうで。

父さん日本嫌いじゃないでしょ。日本ロケも敢行したこともあるし(笑。
Posted by 森と海 at 2007年09月23日 22:45
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