2005年08月28日

**友達いないんで<着信アリ>ません**

 ということで、ようやくのこと<着信アリ>を観る。世の中の流れは既に<着信アリ2>だって言う多少時期を逸した感もあるが、 これがなかなかどうして美味なお味でございました。

 よくお邪魔するweb-tonbori堂氏の 「着信アリ」短評 を合わせて読んでいただけると、 ツッコミドコロ満載の本作の性格などよーく理解できるかと。

 

 さて、ストーリーについては語るべきものは殆ど無い。なにせ、巨匠秋元康の原案だから。おにゃん子クラブを作り出した男です、 ヒット曲を書きまくりの男です、商品の高井麻巳子に手をつけた男です、ヒットさせることにかけては、 当時No.1の男です。昔っから、結果オーライな人だったように思う。

 製作側は、三池崇史組で仕切っております。撮影の山本英夫氏は、 生活感が残りつつ廃墟と化している水沼家や廃病院をいつものごとく埃っぽい空気感を漂わせて写し取りとっております。 脇の俳優さんも三池組常連の石橋蓮司さんや岸谷五郎さん、挙句の果てには、「マサカズ旅館」のオネ−チャン”マサ” こと冨田恵子さんも出演。さすがに今回はお乳は出してません(笑。 監督は監督で、ほっとくと画面の隅のほうに小細工するものですから、気が抜けません。はっきりいって、 数々のジャパニーズ・ホラーの良いトコ取り、もといコワイトコ取りを、臆面もなくやっとりますんで(たぶんわざと!)、 来るぞ来るぞと期待しながら待つという心構えが宜しいかと。

 そんな三池演出でまずはドキモを抜かれたのは、肝心の携帯が鳴る(事件が始まる)前の、 合コンでの怪談話のシークエンス。ネタバレしますが、 その怪談話を聞く柴咲コウ扮する中村由美の肩に、話と同じような細い腕が乗っかっているのです。監督、あんた掟破りや〜! こっちがまだ導入部だと思って油断してるとこの攻撃だ。やっぱり、面白がってやってるなあ。 物語のバランスなんてまったく考えてない監督ほど怖いものはない。あとは、伽椰子モドキや俊雄モドキ、貞子モドキ (ストーリー自体が似てんだよ)の登場で、いちいちヒヤリとさせていただけます。が、あのバタリアンはなんなのさ? それと山下弘(堤真一)の妹の霊(これも中田秀夫監督の霊体の表現方法マニュアルに乗っかってる)の、「人の数だけ”空” はあるの。」ってどういうこと?ラストの2人の笑顔と続く青空とは?

 <着信アリ2>において語られる「中村由美は魔性を目覚めさせた」という言葉から類推するに、美々子から受け継いだというのが、 原案を作った秋元康氏の公式見解だろうけど、それでは、あの”青空”は説明がつかない。監督が監督だし(一筋縄ではいかない)、 ここは大胆な仮説を立てる余地があるように思う。

 この事件は深層心理を顕在化させることの出来る中村由美の起こした事件だったと。

 友人たちの死に中村由美は必ず立ち会っている。あるときは携帯越しに、あるときはその場にいた。 最初の陽子の死の予告着信においては、まず彼女が着信に気付いているし、そのメッセージを確認するのも彼女である。 第二の犠牲者ケンジにおいては、メッセージを確認し、あろう事か死の瞬間にも立ち会っている。それは、第三の犠牲者なつみも同じである。 そして、最終的に深層心理は表層に上ってきて、「虐待が虐待を生む」の言葉どおり、彼女は愛するものを傷つける” 代理ミュンヒハウゼン症候群”を実際に発現させてしまったのだ。もちろん、その対象は山下である。こう考えると前述の合コンでの細い腕も、 彼女の空想現実化の力によるものという説明で事足りる。もっといえば、「人の数だけ”空”はあるの。」を「人の数だけ”愛の形”はあるの。」 と読み替えれば、ラストの”青空”とは、山下が由美に傷つけられながら愛されることを受け入れた瞬間であることが分かる。2人の笑顔とは、 互いの意思が確認しあえた喜びなのだ。

 おおー、コワッ!

 和製ポルターガイストですね。


posted by 森と海 at 23:38 | Comment(2) | TrackBack(4) | 三池崇史
この記事へのコメント
多分ラストはそういう解釈けっこうOKだと思うッス。
けんど秋元は結構なにやってんだよーとか思っていたのかもしんないね(笑)
そう思うと笑えるというか三池さんの解釈ですっきりオチをつけられてもへこたれない秋元もまあようやるなと(苦笑)
Posted by tonbori at 2005年08月29日 00:36
>秋元は結構なにやってんだよーとか思っていたのかもしんないね
激しく御意。この結末じゃ続けられないじゃないかと小一時間抗議したかも。お陰で2作目は監督が変わって興味がなくなりました。
Posted by forestsea(主) at 2005年08月30日 21:51
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