2008年01月02日

**筒井康隆はあらためて偉大だと思ったのだ 〈 サマータイムマシン・ブルース 〉**

 年も明けましたが、昨年ばあちゃん亡くなったんで、挨拶は控えさせていただきまして、本題!

 えらくタイムラグがありますが、〈 サマータイムマシン・ブルース 〉を暮れに観ました、ようやく。「アレ? これ長澤まさみ出てないじゃん。」と思うほど、予備知識なし(長澤まさみが出てたのは〈 ロボコン 〉だって! 一応自分にツッコんどきます)。それくらい全く知識なし・出演者さえも解っていない上での鑑賞で、 これは結構面白いじゃないと思わす作品でした。

 

 で、中身をすっ飛ばしてしまいますが、DVDの余録部分を見まして、 本編中にどこか引っかかっていたあの感覚、「なーんか、普通の脚本(ホン)と台詞が違うなあ」 という感覚の答えが見つかりました。これって、元々芝居なのね。しかも学生演劇の流れの。道理で登場人物Aの問いにたいするBの答え・Cのボケ具合が、いい年したオッサンの書く台詞じゃなくて、学生の生身に近いように感じたんですね(感じてるコッチは既にオッサンですけど) 。「ハリキリスタジアム」のカセットにまつわるギャグは、映画用でしょうが。それと台詞の尻と台詞の頭が微妙にカブるタイミングも、 まさに舞台劇のそれでした。うーん、そうだな、 三谷幸喜のそれに似ているような・・・。

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 タイムパラドックス問題にどう決着をつけるのかというのが、この手のタイムリープ物の肝であります。結局のところ、 過去を変えたらどうなるのかという命題については、いまだ誰も経験していないものですし、誰も解らない。ハリウッド産の映画では、積極的に過去を変えて現在が変わってしまうというプロットを、絵に頼った力技で描く傾向が多いような気もします。〈 BTTF 〉 シリーズの一部分やら〈 サウンド・オブ・サンダー 〉なんかね。しかしながら日本産のものでは、歴史の振り戻しを恐れて、 キープ歴史を必死に努力したりすることが多いようです(除く〈 ゴジラvsキングギドラ 〉これはめちゃくちゃ)。 しかもコメディならその努力がスラプスティップになるんでそこを面白がったり。これはまさにそれ!途中、 若干タイムマシンの設置位置がずれるのはよしとしましょう。沼で流れたんですよ、説得力ないけどたぶん。

 んで、タイムリープ物のはずなのに物語の面白みはというと、キープ歴史のドタバタよりも、交わされる会話のドタバタ具合のほうが、 ハッキリいって印象に残ってしまうのだ。時間軸上であっちこっち行ってしまう話なので、一回観たくらいじゃあモヤモヤが残ってしまう。 二度観たくなってしまうという恐ろしい話(笑)なのだ。いやボクも都合2回観てしまいましたよ。 興行としては、芝居でも映画でも実に上手い方法なのね。傑作でなくても、とりあえず確認したくなる造りなんですね。

 中身について最後の部分だけに触れときます。
 上野樹里扮する柴田が本田力扮する田村との別れの際発する「また会えるような気がする」 という言葉。
 佐々木蔵之介扮するホセがいう「歴史の流れに上手いこと滑り込むような感じ」という台詞。
 瑛太扮する甲本のラストの台詞 「苗字って替えられるのかな?」
 観た人には解るジュブナイルな部分だけど、これってやっぱり〈 時をかける少女 〉 の影響下にあると思うよね。どう転んでも結局、タイムリープ物っていうのは〈 時かけ 〉フォロアーでしかいられないというのが、〈時かけ〉 の偉大さであり、かつ「目の上のタンコブ」たる邪魔な作品であるってことを感じましたよ。ええ、凄いよ実際〈 時かけ 〉は。

 

 

 全くもって本題から離れた話ではありますが、甲本がその後どうしたか?という後日談は想像すると楽しいね。 無事苗字を替えることが出来たのか?それとも替えられなかったのか?なんてことはゲスながら想像するに楽しい。えっ、 田村に改姓出来たんだろうって。いやいやそれは甘い甘い。改姓は出来なかったんだよ。その方が甘酸っぱくてジュブナイルだろ。 現実的に考えれば、その件について秘密を共有してしまった真木よう子扮する伊藤との距離が縮んでしまうほうがアリだよ。そうは思わないかい?

 

 

 上に書いた話は、いまだ観ていない人には全く意味不明と思われます。が、ここのブログは「観た人にだけ解る」 というスタイルをとっていますので、さっさと観てから来てくださいネ。

 

 

 

*終わりなき夏休み −サマータイムマシンブルース−
『サマータイムマシーン・ブルース』
「サマータイムマシン・ブルース」バック・トゥ・ザ・昨日!!!

posted by 森と海 at 23:09 | Comment(6) | TrackBack(2) | Movie(邦)
この記事へのコメント
ということで、こっちも挨拶は抜きにして(藁)。
これ、私も観て、同様にまるで期待してなかった分、いいなあと思い、二度観ました。
舞台劇、つうか小劇団みたいつうのは私も感じ、やっぱそうだったじゃんという感じでしたが(爆)。だもんで、私としては、馴染んだ世界なんで観ていてストレスフリーであったわ。おっしゃるように、トーゼン、ダイアログはうまいしね。

ムロン、
>現実的に考えれば、その件について秘密を共有してしまった真木よう子扮する伊藤との距離が縮んでしまうほうがアリだよ。そうは思わないかい?
てのはそう思うし(藁)、後、なあんかどっか詰め甘いなあとも思った。舞台なら役者の生身がある分押し切れた何かが、映像だと生ききってない感じかなあ。
とはいえ、あたしゃ好きですね、この映画。若い連中のどたばたってのはみんな撮りたがるけどほとんど成功しないなかで、いい線行ってるなと思った。やっぱり映画でダイアログの力はすごいななと。
Posted by acoyo at 2008年01月03日 08:30
期待しないで観たら面白かったシリーズに入れたい一本です。おっしゃる通り、あの後どうなったのかなぁ〜という余韻がgoodでした。
Posted by samurai-kyousuke at 2008年01月03日 11:24
自分のブログへのレスですが、「また会える気がするんだよね」と「決められた枠に滑り込む」で未来への伏線は十分なので、明日の映画の約束をして、柴田が消えた後一人リモコンを見つめる甲本、あそこで終わって欲しかったです。

その後の回想&ラストの台詞は、言わなくてもわかるので、観客の心の中にとどめた方がより余韻が残ると思うんですが・・・。

最近の映画は何でも“説明”してしまうので、あれくらいは必要なのかもしれませんが。

改姓はできなかったというのは同感です。
Posted by micchii at 2008年01月03日 14:48
>acoサマ
若手の劇団が、ドタバタやって面白かったものってあんまり記憶にないですねえ。ジョビジョバもパッとしなかったし。
で、この映画の力が、ヨーロッパ企画(上田)のモノなのか、はたまた本広の演出力なのか見極めるために〈 UDON 〉にトライしてみようと思ってます(笑。

>samurai-kyousukeサマ
もうほんとノーマークでした。皆が取り上げるのが何故なのかもっとよく考えれば理解できたはずなのですが。

>micchiiサマ
ドタバタコメディですから、ラストにおいても跳ねる必要があったと思います。決心とかでしんみりする話でもないです。
それと・・・、改姓ですけど説明しない判らない世代も増えてきてますよ。いやほんとに。額面通り受け取る世代が。しかも、あのラストから甲本⇒田中して、柴田と一緒になるんだと想像するお花畑も増えていたりして・・・。
Posted by 森と海 at 2008年01月03日 15:53
寒中、お見舞い申し上げます。
でコメありがとうございます。
まあおいらは押井ニストなんでそのテイストを嗅ぎ取ってしまったわけだけど、なるほど『時かけ』か。
ならアニメの『時かけ』みて地団駄踏んでる口だと思われ(爆笑)>本広監督

あと伊藤と田村はくっつくでしょう。それはもうそれでFAですよ、ええ(笑)
Posted by tonbori at 2008年01月03日 23:50
>tonboriサマ
アニメの「時かけ」については、あの脚本のまま実写で撮りてーって思ったと思われますよ、本広氏。いや間違いなく(笑。

でも先に撮っちゃったモン勝ちなんですよ、映画って。
Posted by 森と海 at 2008年01月04日 19:44
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