2008年01月28日

**普通に面白いよ 〈 ディパーテッド 〉 アレさえ知らなければ**

 ちょこっと前に観た〈 ディパーテッド 〉。さすがにマーティン・スコセッシ監督らしく、 切り取った街の風景なんかはこれぞドキュメンタリという風情で、いくらスピ&カミンスキーが必死に銀残したって全く敵わないのだ。往年の 〈ラストワルツ 〉のころからドキュメントといえばこの人なんですよ。

 肝心の話のほうも、アメリカでは潜入捜査官物って良くある話ではあるし、そこの犯罪組織側のネズミまでクロスさせれば面白くならないはずがない。脚本が素晴らしいのじゃないのかな。ウイリアム・モナハン良い仕事するなあ。

 ところで、映画の一番最後にMediaAsiaって出てくるけどアレは何?(爆)

 

 

 という訳で、すっかりボケまくってしまいましたが、 多分香港映画など観ない大多数のアメリカさんたちにはそう写っていたことでしょう。それだけでも、本作の本懐は遂げられたも同然。いやはや、 アレさえ観ていなければ、手放しで面白いって言えたものを・・・。

THE_DEPARTED-0

 

 よしゃあいいのに、ご丁寧にもギブス検めまで完コピする始末・・・。モナハン、 君はスクリプトライターではなくアレンジャーと名乗ったほうが・・・。

 という訳で、アレを知らなければ幸せなんでありますが、そんな方向ばかりから論じたって仕方がありません。

 本作でジャック・ニコルソン翁が演じるのは、アイリッシュ系ギャングのキレたボス。一方、有名な話で 警察官にはアイリッシュが多いという。酒飲みで荒くれだが仲間思いで連帯感も人一倍なアイリッシュ系は、警官や消防士、 そして軍隊志願者も多かったと。(ここでかったという過去形なのは、 軍隊において最近は黒人とホワイトトラッシュなどと呼ばれてしまう白人貧民層という括りが多くなってしまったから)。 こういう出自関係はリアルで、例えばの話マーク・ウォルバーグもマーティン・シーンもアレック・ ボールドウィンもアイリッシュ系もしくはその子孫。もちろんジャック・ニコルソンもアイリッシュ系。その辺の考証はすごいね。 アイリッシュが多い警察とアイリッシュギャングとの間なら、互いにネズミを送り込むことも可能なように思える。 しかも裏切りを許さないアイリッシュ魂ならばこそ、その行為はタブー。 よってネズミにとってはアイデンティティとの葛藤という結構深いものになるであろうし。

 が、肝心の主役2人、マッド・デイモンはどう考えたって北欧系の顔(ソンネン系の顔だと思ったら本名マシュー・ペイジですって。どこ系?)、 レオナルド・ディカプリオに至ってはもうマンマ。誰でも判るイタリア系。もう全然ダメ。 ここはアイリッシュらしい暑苦しい顔でなければならなかったんですよ(ほら、アイリッシュ系っていかにもって感じの男臭い顔ではないですか) 。そういう方程式からいえば、ちょっと若い時のマット・ディロンとかショーン・ペンとかいうような、 チンピラだかワルそな警官だか判らない曖昧な悪ガキ顔が必要不可欠だったんです。もちろん世代が若くなっているこのご時世に、 純粋にアイリッシュ系の役者なんてほとんどいませんから、それ風の顔でも良かったわけです。それがよりによってディカプリオ! そりゃないぜセニョールなどと訳判らんこと口走ってみたりしますが、あのイタリア顔を見て、アイリッシュギャングが信用する訳ありません。 もう最初から最後まで疑ってかかっていると現地アメリカの人々も思っていたことでしょう。・・・まあ仕様がないですね、 スコセッシとディカプリオの関係ですし。

 話は変わりますが、 アレは香港警察の話でして香港警察といえば英国統治時代に警察を組織した時からなにからなにまで英国式で統一してまして、何処となく英国風。 一方、アメリカさんとこは、ダニーボーイが流れたりバグパイプの人がいたりして(バグパイプはスコットランドなんだけどその辺よくシラネ)、 どこかしらあの辺あたり風。物語を移植するにあたって親和性があったんでしょうね。

 

 余談ですが、その昔この映画の企画を聞いたとき、ニコルソンの役にトム・サイズモアを、ウォルバーグの役のデ・ ニーロをという希望を述べたことがありました。もしそうなったとしたら、 イタリア系警察VSアイリッシュギャングという血で血を洗う仁義なき戦いとなってしまって、 アレのリメイクにはなりえなかったように思います。(それはそれで面白そうですが・・・)
 あっ、あと関係ありませんが、アイルランドの国花ってご存知?

 

posted by 森と海 at 23:10 | Comment(4) | TrackBack(0) | Movie(米)
この記事へのコメント
顔は・・・・まあしょうがないというか。
スコセッシは自分のフィールドに持ち込まないと出来ねとか言ったんだろうし。
デ・ニーロだってアイリッシュのギャングしたことあるんだし(HEAT)
レオありきな配役だけはどうにも変更できないというのが今のハリウッドのスターシステム。
けど喋りとかはかなりマスターしてたらしいよ、全然解らんのだけれど(爆)

あとアイルランドの国の花って気になるんで調べたら『シロツメクサ』だそうな。
Posted by tonbori at 2008年01月29日 00:59
考えてみたら、ボクの中で評価の高い〈 ギャング・オブ・ニューヨーク 〉のアムステルダム役もアイリッシュ移民なのね、ディカプリオ。
このときから、アイリッシュ訛りはレッスンしてたんじゃなかろうか?
Posted by 森と海 at 2008年01月29日 20:41
おっしゃるように、アイリッシュ顔ってのは「曖昧な悪ガキ顔」すけど、実際、U2のボノみたいな顔が多いみたいです。連れがダブリンじゃあの手の顔ばかりだと言ってました。そいと、色白が特徴。も、ミュージシャンなんか顕著で、思いきしなマッチョでも、肌は無意味に白いし(爆)、そばかすだらけだ。
んで、デ・ニーロはアイリッシュとイタリアンのハーフだからいいんじゃないのかな。

んで、映画は観とらんので(リメイク&レオの存在故、一生観ないだろう、きっと)何も言えんわという話だけど、冒頭の
>切り取った街の風景なんかはこれぞドキュメンタリという風情で、いくらスピ&カミンスキーが必死に銀残したって全く敵わないのだ。
禿同。

Posted by acoyo at 2008年02月14日 17:56
わたくしの記憶するところでは、アイリッシュといえば、オッサンになると頬が緩んで垂れてくる方々が多かったように思います。同時に頬の肉が厚くて法令線がはっきりくっきりだったような気が・・・←でもそれはブル顔。
Posted by 森と海 at 2008年02月16日 17:32
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