2005年10月29日

**そのパワーに圧倒される〈 徳川女刑罰史 〉**

 やっと、届いたよー!先ごろ亡くなられた稀代のお騒がせ監督 石井輝男氏の東映異常性愛シリーズの第一作だー。

 これ前から見たかったのだけど、近所のレンタル屋にゃ置いてないし、ビデオは発売されているけど、セルビデオって高いんだよね。 万単位の金払って(まさかとは思うってたけど)つまんなかったらどうしようって思うと、購入には至らなかったんだ。そうこうするうち、 DVD発売の報が!予約したんだよん。

 

ONNAKEIBATU  さて、この映画は3つの入れ子からなるオムニバスの形式を取っている。

第一話は実の兄と契ってしまい畜生道に落ちた町娘の話。

第二話は肉欲に落ちた女僧の話。

第三話が一世一代の彫り物のためにすべてをなげうった彫り物師と拷問に喜びを見出した与力の話。

 もっと詳しく知りたかったら、ココ

 どれも力作ではあるが、ボクが圧倒されたのは第三話である。当代随一と謳われた彫り物師彫丁(小池朝雄)は、与力の南原(渡辺文雄) に、女が苦悶する表情について教えを請うた。ちょうどその頃、漂流船で流れ着いた白人女たちを、 キリシタン宣教の詮議で南原が拷問することとなった。南原らによる拷問はすさまじかった。そして一代の彫り物を彫ろうと彫丁は、 町娘花の体に着々と拷問地獄の模様を刻んだ。だが、その図柄には地獄の邏卒の顔が未完成のままだった。彫丁は、非情に笞うつ南原を刺し、 断末魔の表情を花の背に写し取った。

 南原役の渡辺文雄氏の目の中には、狂気の炎が燃え盛っているようだ。これはスゴイ。渡辺文雄さんって、 東映時代に頭を抱えるような役をいろいろこなしているが、このインパクトは強烈。傍に寄りたくないタイプの人を演じきっておられる。 普段は食いしん坊で見せた顔そのままの人であろうに。劇中の音楽も高鳴る鼓動のようで始末が悪いし、白人女の叫びは絶え間なく続く。正直、 きっつい。

 これは、商業映画である。当時の成人男性をターゲットにした娯楽作ゆえ、 エロもたっぷりグロもたっぷりで倒錯した歓喜を呼び起こすことを目的としている。男って言う生物は、 奥底には肉欲と一体となった攻撃性を有しているからね。どんなに清ました顔をしていたって、それが呼び起こされるのだよ。が、 こんなにサディズムを全面に打ち出した映画は、〈 ソドムの市 〉以来だ。ということで調べてみると、〈 ソドムの市 〉 の製作が1975年、〈 徳川女刑罰史 〉が1968年。なんだ、こっちの方が先じゃないか!先駆者だ! 政治的だの寓話的だのなかなか評価の定まらない〈 ソドムの市 〉に対して、こっちは異常性愛路線という鉄壁の評価が下っている。 石井監督は、世俗の糞にまみれる事をいとわない素晴らしい商業映画監督だ。いちいちゲージュツ云々とか写実性とか言い訳などしない。 撮りたいものを売れるようにするためにエロをまぶして撮る。この姿勢は、ロマンポルノの監督さんたちに脈々と受け継がれているように思う。 まあ、冷静になって監督作品群を眺めて考えてみると、石井監督は異常性愛のような、妙なもの・奇異なもの・ニッチなものに非常に執着しているようにも思われるが(笑。

 とりあえず、心臓がバクバクしたことだけは白状しとこう(笑。 さあ、傑作の誉れ高い〈 徳川いれずみ師 責め地獄 〉も観たくなっちゃったなぁ、どうしよう?

 

posted by 森と海 at 01:06 | Comment(3) | TrackBack(0) | Movie(邦)
この記事へのコメント
近所とか見たかったのだけど
小太郎が、セルビデオとビデオをレンタルしたかったの♪


Posted by BlogPetの小太郎 at 2005年10月31日 09:09
その第三話っての有名な責め画絵師の伊藤晴雨と『御用牙』を何故か連想したっす。
あとガキの時分に新世界の映画館のポスターにコレとか他のやつのとか見てもう心臓ばくばくですた(^^;
Posted by tonbori at 2005年11月01日 01:39
昔の東映映画のポスターって扇情的で、ガキンチョがジックリ眺めてはいけないもののような気がして、よく横目で見ていました。あの頃から、ダメな子だったのか・・・。
Posted by forestsea(主) at 2005年11月01日 22:26
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